スーパーVXOを作ってみた

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スポット発振回路をスーパーVXOにしてみよう

今回も2SC1815GRの浪費計画の一環です。

前回、水晶発振のCW送信機を作りました、そこでコルピッツ発振回路って書いてたように思いますが正しくはクラップ発振回路です
今回はその固定の水晶発振回路を改造してスーパーVXOにしようと思います、クラップ発振回路のつもりですがバリコンの位置にってはクラップ発振回路の要件を満たさないため途中からコルピッツになっている気がします。

本当は、もっとftの高いトランジスタを使った方が設計は簡単だと思います。
そしてFETを使った場合はまた違った結果になりますから、あくまでも今回は2SC1815GRを使ってスーパーVXOを作ることに特化していることにご注意ください。

【 1発目 type_1】 

前回のスポット発振を改造してスーパーVXOにしました

最初に行ったのは、もう一つ7.02MHzの水晶があるので、それを2個パラにして、コンデンサとVXOコイル、そしてバリコンを追加する方法です
これなら簡単にスーパーVXOになるだろうと思っていたのですが、実際にやってみると結果は思ったほど良くありませんでした。

そこで、発振状態をオシロスコープと周波数カウンターで確認しながら、コンデンサやVXOコイルそしてバイアスなどの定数を一つずつ変更していきました
その結果、良好な動作になった状態の発振部だけの回路図を示しておきます。

今回のような回路では、単純に発振するだけならそれほど難しくありません。
しかし、目標としている性能を引き出すためには、実際の動作状態をオシロスコープと周波数カウンターで確認しながら調整することが必須です。

前回のを改造したのがこの画像のものです

スーパーVXOとして安定した発振をさせるためには、いくつか重要なポイントがあります。

特にVXOコイルのインダクタンスは必要最小限にし、可変用バリコンの容量は大きめにするのが個人的には好きです
クラップ発振回路ではありますがバリコンの容量が300pF前後のものを使うのでバリコンの位置によりクラップからコルピッツになっていきます
そのせいかバリコンを回して容量が増えていくと周波数は低くなりますがあるところを境に安定度が低下します、おそらくクラップ発振回路の条件を満たさなくなるのでしょう
不安定とは言ってもネットで見かけるようなVXOコイルのLを大きめに取りバリコンの容量を少なくしたものよりは安定度はいいと思っています。

VXOコイルはQが高ければ良いというものでもありません。
Qが高すぎると、水晶側よりもLC共振回路の影響が強くなり、水晶発振として好ましくない状態になることがあります。

異常発振したからといって抵抗を並列に接続してQダンプする、という対策もありますが、私はこの方法はあまり好きではありません。
最初から異常発振をしないコイルを選ぶべきだと考えています。

回路図の部品の説明

回路図1を参照してください。

C3
これがあると可変幅が広がります。
3pFから5pFくらいの小容量が有効です。

C2とTC1
両方を取り付ける必要はありません状況によってはどちらも不要です。
バリコンを最小にした時に容量が少なすぎて発振しないこともありそれへの対処用です
セラミックトリマを使うと、最大周波数を切りの良いところに合わせることができるため便利です
あとから無理に足すのは不細工なので使うかもしれない部品は最初ら実装できるように基板をデザインしています。

L1
いろいろ試しましたが、サトー電気で購入した7Sボビンが良い結果になりました(要注意:7kボビンではありません)。
7Sボビンの1-3間に0.1mmのUEWを30回巻いています、インダクタンスはコアを被せた容量最小位置で18.5μHでした
ここは一旦実装し良い感じの可変範囲に調整したものを取り外して測ってみたら22μH付近でした。

C1・C2
どちらも330pFです。
分圧比は1対1にしています。
PVCを回して端から端まで動かしたとき、発振回路の出力が最も一定になったのが1対1でした。

消費電流
1.4mAです。
1mAから2mA程度の範囲なら問題ありません。

2SC1815GRはftが低いので、小電流で使うとさらにftが低下します。
そこで、ある程度電流を流してgm(相互コンダクタンス)を上げる必要があります。

この発振回路はクラップ発振回路です
発振そのものはベース・エミッタ間で完結しています、今回はコレクタ側には同調回路を入れて、そこから2次側を経由して出力を取り出します。
ベースやエミッタから直接出力を取り出す方法に比べて負荷変動の影響を受けにくく、出力も大きく取ることができます。
実際に取り出せる波形も綺麗なサイン波になります。

なぜ1.4mAも流すのか

トランジスタによる発振回路というと、一般的にはできるだけ少ない電流で動作させる方向に考えがちです
しかし今回は、それとは逆に電流を多めに設計しています。

電流を増やすことでgmを上げることは先ほども書きましたが、狙いはそれだけではありません。

一つ目は、VXOコイルのインダクタンスを小さくできる方向に働くことです
トランジスタのgmを上げることで発振余裕が増すため、必要なVXOコイルのインダクタンスを小さくできます。

二つ目は、発振を強めにすることで、外的要因による発振周波数のふらつきを抑えることです
電流を0.5mA程度にしないと熱安定性が云々、という主張もあります
しかし、周囲温度なども含めて実際の動作を確認してみると、今回の条件ではそれはあまり意味がありませんでした
むしろ1~2mA程度の電流を流して、しっかり発振させた方が良い結果になっています。

コンデンサについて

C1・C2・C3はすべてNP0(C0G)のコンデンサを使用します。

TC1やPVCについては温度係数が正確には分かりません
ただ、実際に組み立てて温度変化を含めて確認した結果は非常に安定していました。

そのため、今回の設計ではTC1やPVCの温度係数が発振周波数へ与える影響は、結果的にはそれほど大きくないと判断しています。
周波数の安定度はPVCの最小容量位置と最大容量位置で異なります

このスーパーVXOの特性はこの状態でも非常に優れていると思いますが当初の目標を1つだけクリヤーできません
殆どの場合、これらの発振器をつくると長時間の計測をしてQRHがどうだとかってことが論点になっていると思います
少なくとも夏と冬ではかなり様子が変わってくると思います
必要とする安定度については発振器をどんな使い方にするかで評価が変わってくると思います

チャピらないスーパーVXOにチャレンジ

【2発目 type_2】

設計目標

1石では実現できなかったことを差動回路にすることで解決できる、あるいは改善される気がして多くの時間を費やして実験してみました

改善したかったのはスーパーVXO回路自体を直接キーイングしてチャピらないCW送信機を作ることです、可変幅が10KHz以内程度でしたらtype_1の1石の方法でもいいのですがそれを超えたあたりからチャピりますね
発振回路自体の周波数ドリフトとは別の問題です。

最初はブレッドボードで実験したらチャピらないスーパーVXOは実現可能な手応えを感じました、定数の調整を続けて確実に動作する納得のものを目指していたのですがブレットボードは余計なストレーが多く接触不良もあり安定したデータを得るには限界を感じたので基板にしちゃいました。

こんな感じに仕上げました

基板サイズは秋月電子のユニバーサル基板に合わせているので72×47ミリで穴位置も同じです。

回路図

type_1から少し部品が増えた程度の事ですが差動回路をベースにしています、通常の増幅回路としての差動と異なり、この回路ではQ1とQ2の役割りが全然違うので簡単なはずでしたが意外に動作としては複雑なようです。

ざっくり言うとQ1で発振してQ2がバッファなのかな
よーく見るとQ1で発振してエミッタ直結のQ2がベース接地のアンプ みたいなことです
だけど明らかに動作は差動回路なんです、つまりQ1とQ2は相反する関係であり補うようにシーソー動作をしているので間違いなく差動回路なんです。

回路としては簡単ですが納得できる状態になるまでには予想外に時間がかかりました。

動作点をどこに置くのがベストなのか、動作はするけれどなんかへんていうのもありました。
同じ電流値の4.5mAだとしてもエミッタ電圧起点で観察すると0.6V程度(エミッタ抵抗が小さい状態)では発振はしますがQ2のコアを回すと特定範囲でのみ発振できて、範囲外になると途端に発振が停止するという様子でした、それもありバイアス電圧を高めにする方向で調整し結果的にエミッタ電圧も上昇させました。今は平均2.5V程度のエミッタ電圧ですが、もしかすると3.4Vくらいになるように電流を見ながらバイアスを調整するとQ2のコレクタ側の交流電位が±4Vの範囲でスイングできていいかもしれません。

Q2のT1の調整位置によってはこんな異常発振をしたりしますが、周波数カウンターだけでは気付きません。

差動回路なので共通エミッタへのバイアスは定電流源を用いるのはオーディオでは一般的ですがそのまま高周波回路にあてはめると電流・電圧・インピーダンスの3つを設計目標値にすることが難しいです。
そのため電流と電圧は低めな抵抗(R3)で決定し、交流的なインピーダンスは直列に入れたインダクタ(L2)で決めています。Q1からの信号はここのエミッタからQ2のエミッタに入ります、7MHzで100μHのインダクタのリアクタンスは4.5kΩ程度ありますから十分にロス無くQ1からQ2へ伝わります。

Q2のエミッタには22Ω(R4)を入れています、最初は無くてエミッタ同士を直結していました、回路的にも美しく自己満足していましたが、これがどうも動作上はマズいのです
抵抗が無い場合の波形は次の画像の通りです

これはバイアスの調整とかいろいろやってみましたが改善できませんでした。
このままでもLPFでも通せば気にならなくなりますが、何かが悪いからこんな状態なんですよね。

この歪をとる方法が思いつかず3日間悩みました。
何気にベース電圧を測ったらQ1とQ2で0.5Vも差があるので驚きました なんでやねん
Q1はそれなりに発振をしていますが肝心な相方のQ2は完全にカットオフされる領域まで落ち込んでいることが問題なのだと気付きました
それをカバーするのが22Ω(R4)の抵抗です、これを入れるとエミッタ経由の信号伝達も上手くできてQ2が極端な動作点に追い込まれることなく動作できるようになりました、
改善された結果の出力波形は次の画像の通りです、

22Ω(R4)を入れることでうまく動作するようになりました。

十分に綺麗な波形だと思います。

22Ω(R4)を入れていない時にはQ2のコレクタ側の同調コイルを回すと酷い波形になったり発振も不安定で負荷変動にも弱いものでした、少し負荷を重くすると発振が停止する始末でしたが動作点の見直しとR4のおかげでそれらもすべて良好になりました。

VXO用コイルについて

回路図通りに作れば必ず動きますがVXO用コイルについて巻き方を少しだけ書いておきます。

VXO用コイルのL1はサトー電気で買った7Sのボビンに0.1ミリUEWを30Tの時が最もいい感じです、28TやFCZのデータに合わせて34Tも試しましたが良くなかったです。

30T巻いただけのものは14.6μH、外側のコアが最上部の位置(完成後の最小容量)は18.5μHりました、これでシールドケースに入れて取り付けます。

このコイルは形状の都合もありますが、巻き終えて取り付けたあと実際に発振させて調整しますが諸々の機械的な歪があるため初日はやや不安定です、コアを回すたびに機械的な歪が発生するので馴染むまで少し時間がかかります、これは市販品でも同様ですが、あらかた調整したら翌日以降に再度確認してみるのがいいです、被せている外側のコアの位置がとてもデリケートに反応するということです、可変範囲がアバウトでよければそんなに神経質にならなくてもいいとは思います。

コイル巻きが苦手な方もいますからFCZの1.9MHz用コイル、サトー電気の7T1R9を買って試してみました
インダクタンスがちょどいいので利用できるはずと思ったけど予想外に使いにくかったです、理由はインダクタンスの最小が15μHくらいなのですがコアを回していくとある位置から急激にインダクタンスが増加するのでとても調整がシビアなのと発振周波数の安定性が低下したので今回の回路には適していませんでした。
FCZのコイルデータと同じ巻き数で作られているとしたら7T1R9の鼓コアは7SのモノよりAL値が低く、被せる外側コアは7SのものよりAL値が高いと思われます。

バルクハウゼンの発振条件

1石で作るクラップ発振回路と違って、今回の差動回路をベースにした発振回路がなぜ小電流では発振しないのかクラップ発振回路の動作原理を調べていたら「バルハウゼンの発振条件」というのを見つけました
そこには以下の事が書かれていました。

位相条件:ループ一巡の位相シフトが0度(または360度の整数倍)であること
振幅条件:ループ一巡の電圧利得(ゲイン)が 1 以上であること

それで思ったんですよ、振幅条件が揃っていないのだと、2SC1815を7MHzで使うとこの回路の場合は特にgmが足りないのだと気付きました、そのためある程度以上の電流を流してgmを稼がないと発振できないのではと思いました。

バイアス電圧を計算しなおしてR6とR7の抵抗を計算値に合わせ、次にエミッタ側のR3をVRにして電流量を連続可変して確認したら3.3mAあたりから発振できることがわかりました。
現在は少し余裕を持たせるために発振回路には4.5mA程度流しています、バイアス回路を作り出す抵抗の分圧回路で200μAくらい食います、それとQ2のT1のコアの位置によっても変化しますがそれらも含めて総合で4.5mAほど流しています。

水晶のドライブレベル

今回の差動回路による発振回路は4.5mA程度流しています、回路の定数だと3.5mA以上流さないと発振しません、
水晶へのドライブレベルが気になってQ1のベースから水晶へは気休めに22Ω(R1)を入れています、ですがその後の測定内容から判断して発振エネルギーはQ2に吸い取られるため水晶のドライブレベルは問題無いと判断したのでR1は無くても大丈夫です。

大丈夫と確信を持った理由は、Q1のエミッタのところをオシロで波形を見たら280mVppから560mVppの範囲しかないのです(周波数可変用バリコンの位置で変動します)、これは一般的な発振回路と比べて低い値です、このことからQ2側に発振エネルギーが吸い取られているんだなって思いました。

今回はHC-49Uの水晶を使っていますがこのドライブレベルならHC-49USでも壊れないと思います。一般的にこれらのサイズの水晶は100μWから最大でも500μWと仕様書に書かれています。

クラップ発振回路やコルピッツ発振回路では、水晶(インダクタとして動作)と分圧コンデンサ(C3, C4)が直列の閉ループ(共振回路)を形成しています。そのため、高周波的には水晶を流れる電流と、コンデンサ (C4) を流れる電流はほぼ等しくなります。

1. エミッタ電圧の実効値(RMS)への変換します、オシロスコープなどで観測されたエミッタ電圧 Ve = 560mVpp を、計算用の実効値(正弦波と仮定)に変換します。

\(V_{e,rms}=\frac{560\text{mVpp}}{2\sqrt{2}}\approx 198\text{mV(0.198V)}\)

2. コンデンサ C4 に流れる高周波電流の計算はエミッタ-GND間のコンデンサ (C4 = 330pF) に、周波数 f = 7MHz で流れる電流の実効値 (Irms)を求めます。

\(\omega =2\pi f=2\pi \times 7\times 10^{6}\approx 4.398\times 10^{7}\text{rad/s}\) \(I_{rms}=V_{e,rms}\times \omega \times C_{2}=0.198\text{V}\times (4.398\times 10^{7})\times (330\times 10^{-12}\text{F})\approx 2.87\text{mA}\)

3. 水晶のドライブレベル(消費電力)の計算
ドライブレベル (P) は、水晶の等価直列抵抗(ESR:R1)を用いて計算します、ESRは不明なのでデータシートのある水晶をいくつか見て凡そ60Ωと書かれているのが多いのでESRは60Ωとして計算してみます。

\(P=(2.87\times 10^{-3}\text{ A})^{2}\times 60\,\Omega \approx 4.94\times 10^{-4}\text{W}=\mathbf{494}\,\mathbf{\mu }\text{W}\)

この計算は推定値ではありますが上限の500μWにギリギリ収まっていると考えられます。

ご注意いただきたいのはスーパーVXOにするために水晶を2個並列にしていますが決して負荷分散で半分になることはありません。

バラックのままチャピりテスト(動画)

お恥ずかしいのですがその様子をさらしてみます

これは向こうに置いてあるIC-7300を7.001MHzにダイアルをセットし、こっちの作業机で送信してみます、これはこのスーパーVXOにとって最も不利な最低周波数での動作テストです。
SEPPのドライブ回路は通電したまま発振部だけ電鍵で電源ラインの入り切りを直接行っています。

バリコンを回してIC-7300に合わせるところからの動画です
ハッキリ言って電鍵がうるさいですが勘弁してください、少しチャピってますが改善できるところとしては電圧変動の影響がでないように別途回路を追加することなどがありますしケースに入れてガッチリ固定するのも少しは効果があるのかもしれません。
因みにtype-1の方だと明らかなチャープが発生するためこの動画のtype2よりも悲しくてピヨーピヨーって感じです。

ある程度の性能まで追い込んだら、もしかすると最終的にはドライブ段をキーイングするかもしれません今のところ仕上げにはまだ時間がかかると思います。

調整の秘訣

type-1とtype-2、どちらも調整には共通したコツが少しあります

type-2でいうと
L1はコアを最上部(容量最小位置)にしておいてバリコンは容量最大の位置にしておきます

この状態で通電してオシロで発振していることを確認します
発振を確認したらQ2の同調コイル(T1)を調整してピークに合わせておきます

周波数カウンターで確認すると数KHzから10KHz程度しか可変できていないと思います、今回は7.023MHzの水晶を使ったので7.015KHzくらいだったように思います。
最低周波数については7.001MHzあたりを目標としておきます、L1のコアをねじ込んでいくと周波数が下がります、7.001MHzになるように回していきます、機械的な歪があるため周波数カウンターで確認しながら少し目標よりも低いところを狙います。
必要に応じてゆっくり何度か回しなおすと目標に近づくと思います。
周波数のドリフト(周波数の安定性の確認)は調整直後よりも、翌日とかそれ以降にするほうがいいですコアを回すと構造の都合で機械的な歪があり落ち着きませんから馴染んだ頃に測るのが確実です。

さきほど調整した(T1)を再度調整してピークを見つけたら、その位置から少し15度程度ねじ込んでください。これは同調点で言うと少しだけ低い周波数に調整しているのと同じことです
大事なのはこの少し低い方へずらしておくことです、ピーク点はダメです。
こうするとT1は誘導性で動作します、逆にコアを回して高い方へずらすと容量性となります
誘導性にすると温度係数の関係もありますが回路全体の相互作用でチャープが少なくなります。
L1も最小から始めて増やしていく方向で調整するのは必要最小限のインダクタンスで動作させるためです、インダクタンスが増えると温度係数としては不利になります。

じっくり落ち着いて取り組めば調整のコツは掴めると思います、オシロで波形と出力レベルを確認してください、バリコンがどの位置でも出力が変動しない、あるいはとても変化が小さい事が分かるはずです。

それとT1の締め込み具合でチャープの量も変わってきますから少しずつ確認しながら作業を進めると、とても良好なポイントが見つかるはずです。

すでにスーパーVXOを作って使われている人も思ったほど安定していないとかチャープが気になるのであれば、ここの記事の内容を参考にすこしアレンジしたり調整をしてみると改善するかもしれません。

可変範囲は欲張らない方がいい

前にも書いた気がしますけど、クラップ発振回路の優れた安定性を発揮するためには周波数可変用のバリコンはこの回路図の定数の場合は100pFくらいまでが本来は妥当だと思います、300pFあたりのバリコンは既にクラップ発振回路の条件から外れているため動作は原形のコルピッツに近づいていると思われます、つまりバリコンの位置で性格が変わるってことです。
今回の実験はスーパーVXOの発振回路を直接キーイングしてCW送信機を作ることなので目標は達成ですが、可変範囲は欲張りすぎたということです。

スーパーVXOで可変できるのは水晶の周波数に対して最大0.5%を目途にするといいみたいですが確かに0.5%くらいは可変できます。
7MHzだと35KHzほど可変できる可能性があるのでしょう、実用性があるかどうかは別問題なので用途次第というところでしょうか、水晶によっては動かしにくいのもあるし今回は2SC1815GRを使いましたが、2SC3355で作ったら面白い気がします。

なぜ差動回路だとうまく行くと思ったのか

発振について考えたり知らべると概要ですが以下のような流れです

1. 起動期: 電源が投入された直後、回路にはまだ信号が存在していないところから「熱ノイズの発生」・「水晶振動子の選択性」などで徐々に振動が大きくなっていきます。

2. 成長期: 発振するためのループが形成され指数関数的に成長をしていきます。

3. 定常状態: やがて、ある一定の最大振幅に達すると安定します。

これらの様子が発振開始から振幅最大までの流れです。ほんの一瞬の出来事ですが・・・

では、どこでチャープが発生するのか調べてみると
チャープ(周波数変動)は、主に「成長期(過渡応答フェーズ)」から「定常状態(飽和フェーズ)に移行する瞬間」にかけて顕著に発生します。 (らしいです。)

起動直後の極めて振幅が小さい時期(起動期)にはほとんど発生せず、振幅が急激に大きくなってトランジスタが飽和し始めるタイミングで最も大きく発生します。 (らしいです。)

これらの事を悶々と考えていたら差動回路なら互いに補いながら動作するので影響を抑えられるのでないかと思いこんだことから試してみることにしました。無知って怖いもの知らずです。

実際にブレッドボードで実験していると確かに改善度が大きいのです、たまたまそう思い込んだのかもしれませんが明らかに手応えのあるものでした、しかもドリフトも少ない感じでした。

今回の件は最初から最後まで、ただの思い込みかもしれませんし勘違いのまま突き進んでいるのかもしれません。

回路構成によっては発振回路が負荷の影響で、そもそものQRHがあるようなものは論外です。

とりあえず一区切りとしておきます

受信機と組み合わせるのにアンテナ切替器・送信用LPF・電源系統の整備など作り進めないとケースに入れることもできません。

それらは今回のスーパーVXOとは別問題なので整ったら続きを書こうと思います。

DDSやPLLを使えば苦労は無いのかもしれません、ディスクリートでアナログ回路は多くを学べるので合理性は無いもしれませんが、ちょっと追及してみるのも楽しいと思います。

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