リミッティングアンプV3.1

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前回までのリミッティングアンプは性能に満足するも見た目が不細工なので凝りもせず新しいのを作った。

今までと違うのはグライコを4バンドにし、そのイコライザの回路も平凡なものに変更したこと。
もちろん見た目の問題はケースの薄型化採用により、しばらくは飽きずに使えると思う。

イコライザの回路はごく普通のジャイレーターを使った方式でパラメトリック方式と呼ばれているのではないかと思う。

1回路分だけ書くとこんな感じで、オーディオ用イコライザとしては定番だと思うが、SSB用に使うにはQを高めにして設計するのが肝になる。

このV3.1の基板を作る直前まで、つまりV3.0の時点では5バンドでTwoToneジェネレータ内蔵のを計画していたけど、悶々と考えていたら萎えてしまい、めんどうだから簡易にしようとこのV3.1になった経緯がある
どうせ分割するなら5バンドが都合がいいのだが4バンドだと低域側をどこにするか悩んでしまう
とりあえず100Hzから2800Hzまでの数点ぶんを計算をしてみた。

グライコの定数表

ポイントは入手しやすいCRの定数にし尚且つQは4.5を目標にしている
そのため、CRの定数が優先するためQは表のとおり4.5前後となっていて同じではない、これらの違いで結果的には周波数ごとに利得が一定ではないが概ねプラマイ12dB程度は変化させることができるのでよしとする。

全体の回路図は次のとおり、今回は電源電圧はプラマイ15Vで駆動、しかも秋月電子で7815と7915の販売が復活していたので317・337の使用は止めた。

回路図のダウンロードはこちらから → LimitingAmp_V3.1回路図

気まぐれ的にPTTコントロール回路を載せてみたけど必須では無いので無くても問題ない。

これを作るときにビックリしたのが前回使ったOPA2134PAが値上がりしてたので採用を中止
少し前に買った時は650円(ほんの2か月前)程度だったと思う、前回同様に樫木総業で今回確認したら1000円を軽く超えていたので、相変わらず足元を見た価格変更が多い会社だなと思った。
代わりにOP275にしてみた、これなら秋月電子で650円
これも実際にはOP275の性能は必要ないので、このリミッティングアンプのオペアンプは全てNJM072Dでいい。

ケースはタカチのUC20-5-14BBを買った(モノタロウで購入)(幅W×高さH×奥行D 200×50×140)
このケースは塗装タイプで大きさは丁度いい感じです
欠点と言えば、4つの部品で構成されていて全ての部品は電気的にはつながらない事です、そのためネジ止め部分の塗装はザグリをいれたりバリを取ったりする工具で塗装を落としてネジで電気的につながるようにします
しかし、正面と背面のパネルは溝にハマっているだけなので電線等を利用して電気的に接続しています。


一部だけ画像を載せると、こんな感じでザグリを入れて塗装を剥がしてネジで締め付けます。

元は下のように塗装で絶縁状態になる

ケース内で基板の位置をどこにしようかと思案中

部品の取り付け途中だけど、この時点ではボリューム類を外付けにするかしないか迷っていた。

ボリューム類を外付けにすると、別の問題があって追加回路が必要になる
基板に半固定だと事前に測定器で確認し、それなりの最適値で使えるのが、外付けにすると全ての基準値が可変できるわけだから、それだと1つだけマズイことがある。

リミッティングレベルを変更すると出力レベルが大きく変化するため都度出力ボリュームも調整する必要がある、そのためには今まで必要の無かったVUメーターもなんとかしなくちゃ、これはあとで考えよう、まずはボリュームを外付けにすると7個もあるから不細工やなぁ、しかもグライコ用はツマミに手が当たったりするとすぐ動くから気に入った設定値に戻す手間も増えそうだし便利とは引き換えに不便さも増える状態。
自分としては無線機も複数台を使うわけでもないし、マイクに至っては自作の一台のみだし可変操作しやすくするメリットは無いのに・・・

とにかく外付けにしてみよう、だけどグライコのボリュームは操作しにくくすることで折り合いをつけた。

分かりにくいかもしれないね
こんな感じでアルミ板を加工してボリュームを少し後ろに取り付けてシャフトの先端だけパネルから少し出した状態にした。

つまりツマミは付けない

パネルはケースから電気的に浮いてるから、正面パネルは「特にボリューム類については」ボリュームの金属部分から太い網線で基板のグランド部と接続するようにした。こうすることで外部からの誘導ノイズ等を貰わないようにした。

結局、今回はボリューム類は全て外付けにしてみた。

配線がめんどくさくなったなぁ

正面から見たらこんな感じ

これならいいかな、電源スイッチはLED付のもので、メーターの照明は送信時だけ点灯するように配線。
グライコの調整はマイナスドライバーで行うが頻繁に可変することは無いと思う、心残りは文字入れをしていない事だな、最近はレタリングが無くて探してはみたけど諦めた。

配線を進めながらVUメーターの事を考えていたら、そういえばメーターを買った時に付属のVUメーターアンプが残っているのを思い出した、ちょっとそれを利用して何とかならんかなぁと思ってみたり。

右側が付属のVUメーター基板

基板のパターンから回路を起こしてみたが重大な欠陥がある。

こんな大きな基板を使うつもりは無いのでICだけ取り外してみた、
型番はBA6138PでロームのICみたい、データシートを確認して使い方を理解し、バラックで目的の動作に追い込み定数を決定した。その回路図はこれ

ステレオ用のICなので片チャンネル分だけ使ってユニバーサル基板に強引にまとめる。

面白いことに、このBA6138Pの最大出力電圧は4.6Vとなっていた、つまりリミッティングアンプのメーター回路の最大出力電圧も同等なので丁度良かったのかも、使ってみるとそれなりにVUメーターしていて今回の目的にぴったりでした。

回路としては書いてはいないが、メーターの切り替えは正面パネルのトグルスイッチで行っています
これでザックリではあるがリミッティングレベルを変更した際にVUに切り替えて最大出力が所定の位置を超えないように出力ボリュームを調整すればOK
LEDのレベルメーターも考えたけど、機械式の丸メーターが動くのを見るのは楽しいからアナログ万歳ってところです。

今回は外見は改善されたが内部の配線は不細工なった、その様をさらしてみよう

ツボは抑えているので回り込みはしないが、とにかく不細工である

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