tinySAってどうなん?

tinySA tools
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いまさらって感じですけど必要な人は既に皆さん買って使ってますよねコレ

nano VNA H4が便利なので、もしかしたらtinySAも便利なのかなって思って買いました
Amazonで検索するとすごい数のtinySAが表示されます
でも嫌な予感がして事前にネットで情報収集をすると、どうやらcloneが、しかも粗悪なのが出回っているらしく買うのが怖くなりました。

作者本人が本物と偽物の違いを説明したYouTube動画があるので、それを参考にすることにしました。

蛇足ですけどここのページへ行けば必要な情報は入手できると思います
https://www.tinysa.org/wiki/

でもね、あれやこれや情報を集めてAmazonで一つずつ見ていくと、どれもこれも偽物にしか思えなくて買うのは止めました。

だけど、やっぱ止めるのを止めて落ち着いて販売店選びをし、恐る恐るポチリました。

その翌日、tinySAは届きました
先ずは勉強したことを基に外見からチェックしていきます

1. 表側向かって左側の注意書き  ありますね OKです
2. 右側下のロゴも ありますし動画の通り 各部の印字は薄目でこれらも OKです
3. 裏側のシールを確認しバージョン名の表記方法 これも OKです
4. そしてシリアル番号 これもSAで始まっています OKです

見た目はいい感じです、ですがcloneを作るならこれくらい簡単に真似るでしょう
だから、動作確認なんかしないでスイッチオンして最初に行ったのは最新のファームウェアへの書き換えです、これでセルフテストがpassすれば (ネットの情報によると) 概ね合格ではないでしょうか
ダメなら速攻で偽物を理由に返品手続きをするつもりでいました。

コマンドライン操作にてファームウェアをアップデートしたらセルフテストをしてみました
ほー とりあえず 全て passです
ノイズフロアの様子もー90dB程度だし良好な気がします。

tinySAのセルフテスト
tinySA セルフテスト結果

YouTubeでの説明通りの表記になっていることを確認できました。

この程度は簡単に真似て作れるから証拠にはならんよね

続いてすぐにファームウェアをアップデートしたので、version表示させたらこんな表示です。

ESD protectedの表示がされていて何のことやら 何か怪しいものなのかな?って思っていたのですがtinySAのホームページでそのことについての説明がありました
どうやらぶっ飛びやすい部品に対しての対処が施されているらしいです

それでも信用できないので、cloneの中の大当たりかもしれないから、分解して内部を確認しました。
そしたら あー良かった シールドされてます もしかしたら本物に当たったのかなって気がしてきました。

とりあえずシールドされています。

何となく本物に思えてきました。

今のところHiバンド(240から860MHz)の方は使う予定が無いので試していませんがLowバンドの方は意外にいい感じで使えています。


実際に何か発振器の出力を確認してみます

デジカメで画面を撮影すると映り込みが激しいのでPCでキャプチャできるようにtinySA-App.exeをダウンロードして使ってみます。

tinySA-Appについてはこちらを参照してください
https://tinysa.org/wiki/pmwiki.php?n=Main.PCSW
ダウンロードはここからできます
http://athome.kaashoek.com/tinySA/Windows/

tinySA-App.exeはダウンロードしたら適当なところに保存しダブルクリックで実行されます
特にインストールとかはなくて、それ自体が実行ファイルです。

キャプチャはtinySA-AppからtinySA自体に表示されている画面キャプチャとPCに表示されている画面のどちらでもできるようになっていますから、お好きな方を使えばよろしいかと思います。

画像の1

テスト中の7M用VXOを繋いでみました。
スパンは6Mから50Mに設定してます、高調波が確認できるのでスペアナっぽい感じで雰囲気はいいですね

実は画像の1を見たときに気になることがあります、きっとスペアナのあるあるだと思いますから、スペアナ使いの人にとっては当然なんだろうな
画面をよーく見たらATTず19dB入ってます、設定を確認したらLEVELはAUTOなので19dBなのでしょう、これだとノイズフロアが-80dBくらいになってます。
この内蔵のATTを手動で0dBにして計測すると次の画像の2のようになります

画像の2

これが内蔵のATTをoffるため手動で0dBに設定し計測した表示です。

スプリアスの見え方も違いますがノイズフロアも違いまね。
と、言うことは 内蔵のATTで減衰させるけどレベル合わせのために内蔵のアンプが働いていると思います、それによってアンプされるのはいいけれどNFが悪化するのでノイズフロアが悪化するという図式ではないかと・・・。これはスペアナとしては当たり前の動作だと思います

それでおもちゃにこれ以上お金をかけたくないのだけど外付けのATTを買いました。

画像の3 sma_ATT各種

smaのオス・メス型ATTで10dB・20dB・30dBの3種類を複数個買いました。

tinySAに限らずスペアナにはATTが必須アイテムだろうと思います。

このATTを使って測るとどうなるのか試してみました。とりあえず10dBのATTを使いtinySAの内蔵ATTは0dBに固定します。

画像の4 外付けATT10dBで内蔵はoff

今度はノイズフロアが-100dBに近いですね、この様子からしてなんとなくですが内蔵の自動レベル調整は使わないようにして、外付けのATTだけで測定するようにした方がいいのかなと思ってます。

tinySAは最大入力+10dBまでとなってますが、そんなに強い信号を入れると内部で歪んてしまい壊れはしないけど、まともな計測もできないだろうと思います。

そんなわけで、tinySAを買ってみましたが、高調波等のスプリアスをみるには使えると思いますがスペックの都合で信号近傍の測定には使えません、つまりバラモジの出力を測ってIMDがどうだとかは見れません。
それでも、信号純度というのか近傍のノイズは確認できるので、目安としての測定は成り立っていると思いますから、これくらい高調波などが観測できたら自作機の調整には十分足りていると思います。

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