FT-901DMを整備

FT-901DM radio-etc
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2022年12月の末頃にヤフオクでFT-901DMの中古を落札した
ある程度の状態は覚悟していたが、ここまで酷いとは・・・ んー
このまま何もせずオークションで売ってしまおうかと思ってしまった。
本当に欲しいのはFT-101ZDの後期型なんだけどね、これがなかなか見つからない。
ついでに言うと、なんでコレを買ったのかも思い出せない・・・

外見から言うと、蓋を止めているネジ類がダメだな、純正のネジは2本のみでその他は適当にタッピングビスが使われている
つまり、ネジをダメにしたから無理やりタッピングビスを突っ込んだんだな
ファンは電源ケーブルが切ってあり、捩ってテーピングされていた。

電源コネクタの部分は長期間なにも接続されていない様子(ピンの汚れ具合が全ピン同じ)
もしかすると今回オークションに出していた人は中古を買って一度も使わなかったのではないかと推理してみたり

なんだか先が思いやられるなぁ

気分が乗らないから蓋を開ける前にファンから直そうかな
それとDC-DCの汚れがすごいから、これは不要だし壊れてると判断し先に取り外しておこう

掃除を終えたFANの部品
このDC-DCの汚れ方にはビビってしまった

とりあえず上下の蓋を外して中を拝んでみますか
このDC-DCの汚れが物語っているとおり、機械内部の汚れもこんな感じで一体どうやったらこんなことになるのやら
ワシはオークションで売るときは奇麗に清掃して受け取った方が掃除しなくてもいいようにしてるのだが
こんな状態でも平気で売りに出す時代になったのかなぁ

実はあまりの汚さから掃除に没頭したため内部の激しい汚れ具合を写真に撮らなかったことを後悔。

とりあえず受信だけでもテストしておきたいので内部の掃除は簡単に済ませて火を入れてみることにした。電源コネクタ(専用のACコード)は持っていないので回路図を見て結線をした。

この回路図も、ようやく海外のサイトで見つけることができた。電源コネクタの結線関連だけ画像にしてみた。

電源用のコネクタを買う気は無いのでギボシを加工して平プラグに刺さるようにし、必要なジャンパーとACケーブルを接続しました。
2番と4番がAC入力で
1番と8番がショート、9番と11番がショート

それでは、ヒーターはOFFのまま受信だけしてみるぞ
スイッチを入れたら おっ 動くぞ ちょっとアンテナをつないでみたら受信は生きてるみたい
だが時々ロック外れを起こすがバンドスイッチをガチャガチャやってると直ったりする。
バンドスイッチを切り替えたり各部あれこれ回してみたりメモリーも使ってみた
感触的には、なんとかなりそうだな

ロック外れは修理可能な範囲なので気にしない、ロックしたりしなかったりの様子から判断して
再調整よりもユニットの接触不良が原因と考えられるので掃除を終えてから検討することにした。

全体の様子をもう少し具体的に知る必要があるため電源を切り、できるだけ外せるユニットは外して掃除をしやすくしなくちゃ、
ユニットを外しながらよーく見たら妙な改造が多いことに気づいた、他がどうなっているかも確認しないといけない。
このチャンガラ中古のFT-901DMは突っ込みどころ満載ですね
各ユニットを外してチェックしてたら自分としては残念な時期のモノを買ってしまったことに失敗感がこみ上げてきました。
ありゃー こりゃあ激初期型だなぁ
カウンターユニットは1チップではなく原始的に多数のICで構成されている
エレキ―も残念 8044ではない 普通のロジックICで簡易版が乗ってる
RFユニットもダイオードミキサーではなく2SK19を使った魅力に欠けた回路基板が乗ってる
ホントに、八重洲無線の「お家芸」がぎっしり詰まった状態で、目の前にある基板の回路図やブロックダイアグラムも該当する資料が手に入らない、流石 一味 違うメーカーさんだなぁ

各ユニットを外していったら、あれあれー なんだこりゃあ バカな改造してるぞー
理解できない配線が何か所か追加されてる、いったい何がしたかったんだー、アースループ増やしてどうするの???
しかもプラネジの頭やら、その他のネジも転げ落ちてきた どういうこと?

メモリーユニットを外したら、なんとマイクアンプが追加されてる、あー鬱陶しい
その追加された小汚い回路基板と配線を見たらため息しか出ないのであった。

黄色で囲った部分。
ここもオリジナルに戻す方が得策だな。

マイクアンプの撤去とユニットのソケットからマイクコネクタへ行っている配線のところは回路図だと100Ωが入ることになっている。

終段のシールドケースを空けたら、やっぱねー バリコンとかもダメかも汚れがひどくてリークしそう。
ロータリースイッチやボリュームをよーく観察したら、これは接点復活剤を吹きまくってる痕跡がある。

さて、どうしたものやら・・・


RF_UNIT

仕事の合間に正面パネルを磨いていると、まあまあ奇麗になってきたかな 少し男前になった気がする
そのせいか愛着も湧いてきた。後期型のRFユニットも手に入れてのでもう少しだけ手を入れてみようと思う。

ここで、超初期型と後期型のRFユニットの回路図を載せておこう

これが初期型の回路図です

これが後期型でFT-101Zシリーズと同じです

回路的に初期型の方が受信に関しては利得が数dB高いのでは
後期型はダイオードミキサーのロス分をJ310で補っている程度の事に見えます。
メーカーの取説ではインピーダンス変換と書かれています。

外見の違いは次の画像の通りです

違いは見ての通りです、RCAのコネクタの配置は同じですが信号系統は異なるため入れ替える前に何色のケーブルがどこに刺さっていたのか分かるようにしておかないと後で面倒なことになります。

ちなみに後期型(画像の新型と書いてある方)のユニットを裏返すと、毎度のコンデンサが取り付けてありますが、調べてみると回路図どおりの部品です。

0.047μFが3個とC44に該当する0.01μFが裏付けされています。

C44はパターンをカットして入れてあります
これは当初はトランスと直結で設計したけど作ってみたらダメだったので後から追加し、あとで回路図を書き直したのでしょう。


基板には取付できるようにパターンも穴も有るのですが、裏側に取り付けている理由はセラミックコンデンサの0.047μFが大きくて基板に乗らないからだと考えられます。
八重洲無線は何故かこの大きなコンデンサをたくさん持っているのか、この時代の他の無線機にも使われています。
茶色のジャンパー線もいつものことですね。
この大きなコンデンサが不細工すぎるので近年の積層セラミックタイプに交換しました。

J310ではなくて2SK125が挿してありました(以前の持ち主が修理したのでしょう)

R40の抵抗は焦げてました
ですが、取り外して抵抗値を測ったら10Ωあったので何とか送信もできていたのでしょう。

実はこのコンデンサ等を交換する前に、期待しながら差し替えて使ってみました
ですが、妙な発振をするんです、利得過剰での発振ではなくて別の理由での回り込み見たいな症状です。
面白いことに、この新しい方のユニットにすると全体の感度が低下するのも確認できました、だいたい数dBから10dBくらい低下しているように感じます。
内蔵のマーカーで元の状態を確認しているので、それと比較するとそうなります。
あれこれアレンジしながらテストし最終的に2SK125は取り外しJ211にしました、これだと安定して動作します(2SK125の時と同等の利得です)、そしてこのユニット自体の利得が足りないのも同様でしたが、これは別のところで補うつもりなので先ずはこのRFユニットが安定動作することを優先しました。
手持ちにJ310が無いのでそれだとどうなるのか試すことができませんが動作的にJ310に拘る理由がみあたりません。(メーカーとしてはダイオードミキサーとポストアンプにJ310という当時のトレンドが欲しかったのでは?と勘ぐっています)。

次回は足りない利得をどこで補ったのかをご紹介したいと思います。


FILTER_UNIT

受信時はRFユニットを出たら、FILTERユニットに入ります。回路図は下記のとおりで初期型から後期型まで共通と思われます。

FT-901のFilter_unit

こんな感じで2SK19GRがお好きなんですね
ワシの基板はQ303は2SC1815GRではなくて2SC372が使われていますがスイッチ用途なので何でもOK

笑かすのは入力初段の2SK19GRを2個パラったゲート設置アンプです、回路図と違っていたのはT301のトランスの中間に接続されているドレインは、ここのパターンをカットしてT301のホット側に接続されていることです。

回路を考察して、ワシはRFユニットで足りない利得をここの初段(Q301・Q305)で補うことにしました、理由は直接AGCで制御されていない事と受信系統全体の利得配分から判断し処理がしやすいと考えたからです。

このQ301・Q305を2SK125に変更しただけで良好になりました。
それは結果論だけど、実際はR301の100Ωを33Ωから150Ωの範囲で何通りも変更してみたり、T301のホット側への接続を中間タップに変更したり、2SK125以外のもので試したり・・・
ジタバタした割にはパッとせず結果がそうなっただけの話しです。

しかし、FT-901は不思議な無線機です、少なくとも受信に関してはアナログの良さがすごく出ていて、RFの頭から復調のところまでを含めて利得バランスがとても良いように感じます。
とにかく静かなんです、手持ちのIC-7300と比べるとセットノイズもFT-901の方が少なくて、しかもノイズの音が柔らかいのです。
受信音は帯域の広いIC-7300の方がいい(設定によります)のですが、音の聞きやすさはFT-901の方がいいです、特に弱い局(ノイズに埋まりそうな弱い信号)も聞きやすくてS/Nの良さを感じます。
FT-901のATTは取説では20dBと書かれていますが7メガ帯はいつもノイズ多くてATTをONにしたまま使うとちょうどいい感じでダイアルを回していくと信号だけが浮いてくる感じです。

次回は、定番の整流ユニットのコンデンサ交換とかを書いてみようと思います。


RECT UNIT

今回は定番の整流ユニットを整備しておきます。

回路図を載せとくと何かの参考になるのやもしれず

FT-901のRECT A UNITです

コンデンサのところ250WV22μFを4個と25V3300μFを2個交換します。
1つずつ外したのを測ってみると容量抜けは無いのですがトラブルの元なので用心ですな。
250WVの表記はwork voltの略で、記憶が間違いなければ250Vで連続使えますよってことですから最近のコンデンサに交換するなら350Vのを使った方が安全だと思います。

あっちもこっちも半端整流でこんなんでいいのかなぁ?

続いてもう一つの整流ユニットはこちらです。

FT-901のRECT C UNITです

このRECT.Cユニットは全部で6個のケミコンを交換です。

次にコンデンサ交換前の整流ユニットの画像がこちらです

向かって左がRECT Aユニット、右がRECT Cユニットです

RECT Aの方はコンデンサが4つとも当時の純正ではないようです、何かあったのでしょうね、交換してあります。
裏側を見たらびっくりしたな

表にあるはずのコンデンサが裏についているのは、R13 47K/2Wが燃えたのでしょうね
47K/3Wが付いていました、それでコンデンサがスペース的に取付けできなくて裏に移設したようです。基板も一部燃えてパターンが無いです、しかも半田付けは相変わらず小汚いです。

半田付けが終わったらフラックスはアルコールで拭き取ると良いのですが・・・

で、これらのコンデンサを取り外すと、カチカチになった接着剤が残っているので可能な限り取り除き新しいコンデンサを取り付けます。

最近のコンデンサは昔よりは少し小さいので基板がスカスカになります。

部品交換後にスイッチを入れてしばらく使っているときに基板のチェックのために顔を近づけたら熱気を感じたのでコンデンサを触ってみたら、予想以上に熱を持ってますね、これはコンデンサ内部はかなり温度が上がっているのでは、今回から隙間が増えたから熱的には有利とは思いますが105℃対応が無くて85℃のコンデンサを取り付けたのでちょっと心配です、新しいのと交換はしましたが長期利用をするなら定期的に交換した方が安全だろうと思いました。

コンデンサを取り換えたついでに基板上の半固定ボリュームの足も半田をやり直しておくと良いです
ルーペで確認したらクラック入ってましたので危ない状態でした。

次回は受信音の帯域が狭く感じられてイライラするので、そこらをなんとかしてみたいと思います。


受信音の改善について

あれこれ回路図を載せてきたからついでにFILTER UNITを出てからの経路も載せておきます
流れをざっと書くとこうなります
RF UNIT→FILTER UNIT→IF UNIT→CARRIER UNIT→AF UNITとなりスピーカーを駆動

FT-901のIF UNITです

ここのIFユニットでは、意外にシンプルに纏まっていますね、IFアンプは2段で構成されています。
Q401とQ402はミキサーでWIDTH回路用です。AMモードではフィルターをパスしてWIDTHが効かないようになっています。フィルターのロスを差し引いても、ここのところで数dBは利得が有るはずです。普段自作している立場から見るとAGC回路も含めてシンプルに良くまとめてきたなって感じです。

さあ、ここから受信音の帯域の狭さを作っている回路になります、このIF UNITを出たらCARRIER UNITに入ります。

FT-901のCARRIER UNITです

このCARRIERユニットはBFO発振回路とダイオードのリング回路やマイクアンプ等が乗っていて送信時はバラモジ、受信時は復調回路として使っています
よーく見たら受信時に復調後の出力はC726の1μFで出力されていますね、ここらの回路はインピーダンスが低くて1μFでは足りないですから、これを10μFにしました(手持ちの関係で)。
ついでに送信時のマイクアンプの入出力についても見ておくとTA7063Pの入力2番ピンのところへのコンデンサC720は0.047μFしかありません、ただしR722が150kΩなのでこのままでもいいのですが、ちょっと足りていないのでワシは0.15μFに変更しました。このTA7063Pの出力側6番ピンからC741とC725を経由してリング回路に入ってますから、ここの1μFは2個とも10μF(ここはバイポーラにしました)にしました。

つづいてAFアンプまわりを何とかしておきます

FT-901のAF UNITです

SSBはCARRIERユニットを出てから、このAFユニットの15番に入ります
回路を見ていくとインピーダンスを低めに設計していますね、それでいて結合コンデンサは1μFが多用されています。
C502・503・509・511を全て10μF(手持ちの都合)に変更しました。
それと大きな変化は無いのですが気になったC513は22μFから100μFへ、C515の100μFは200μFに変更しました。
そしてC518の470μFは3300μFにしました(2200μFを最低ラインと考えています)、このコンデンサは昔の10V/470μFと新しいルビコンの16V/3300μFと大きさが同じだったのでちょうどよかった。
計算上は4Ω負荷のときに470μFでも低域はぎりぎりセーフだけど実際に音出しすると全然足りていないのです。各社470μFで済ませていることが多いですからFT-901に限らす容量を増やすといいですね。

全体的に時定数を計算していて思ったのは低域については300Hz(よく頑張っても200Hz程度)から下は伸ばさない設計のようです。クリスタルフィルターもフラットでは無いので(中心あたりの減衰が大きい感じ)そこも含めて総合設計し了解度を上げるための策としてメーカーさんが決めたことだと考えていますが、コンデンサは増量しておくと自分的には聞きやすくなったと言い切れます。
これらの変更で受信時に帯域の狭さからイライラしていたのが解消されました、全体的にはクリスタルフィルターの帯域が狭いので最終的にはキャリヤポイントもいじってみて気に入るように追い込んでいきたいと計画しています。
それとスピーカーは外付けの通信機用ではなくて効率の良い(90dB以上)オーディオ用スピーカーがおすすめです。

次回は えーっと ちょっと寄り道のネタができてしまったので一旦この件はお休みするかも「901ネタではあるんだけどね」


このFT-901ネタはしばらく時間がかかるので、切りの良いところで少しずつ書き足していこうと思います。

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