2 月 08

今回つくったのは中波帯のAMラジオです。

最初は5V前後の電圧で考えていたのですが、ふとしたきっかけで1.5Vでスピーカーの鳴るAMラジオを作る事にしました。

タイトルを付けると
FET検波、乾電池1本(1.5V)でスピーカーの鳴るAMラジオ ちょっと長いなかな

ゲルマラジオより感度がいい簡単なラジオと言えばトランジスタ検波ですよね

回路図はこちらです(クリックすると拡大します)

FET検波、1.5Vでスピーカーの鳴るAMラジオの制作(回路図)

FET検波、1.5Vでスピーカーの鳴るAMラジオの制作(回路図)

  • 実験回路1

最初は実験回路1のようなものでした、2SC1815GRを使っています
ベース抵抗のR2/4.4MΩは普通より大きめな方だと思います、これを2.2MΩでテストしたら0.4mA強になりコレクタ電圧が低下し過ぎて検波出力が小さくなりましたので4.4MΩにしました、これだと0.3mA未満となりいい感じです。

検波出力をセラミックイヤホンで聴くと、感度はいいのですが同調時にビーとかブーとか(ハム音ではありません)のノイズも一緒に聞こえるし歪みも多い感じがします。
このトランジスタ検波回路は1.2Vから12V(12V以上は試してないだけです)までお好きな電圧で使えます。

  • 実験回路2

こんどはFETで試してみました
FETの方が全体的に音質の良さやノイズの少なさがあり、ここからはFET検波で進める事にしました。
ソース抵抗は8KΩから12KΩの範囲がいいかと思います、4.7KΩにすると1.5Vでは検波しますが1.2Vでは動作しませんでした。
トレイン側の4.7KΩは2.2KΩから10KΩの範囲で試しましたが、なんでもいいみたいです。
この回路は1.2Vでは0.076mA(76μA)、1.5V以上でも0.1mA(100μA)の超省エネですから1石でイヤホン式ラジオだとボタン電池でもスイッチ無しで長期間聴けると思います。

  • 実験回路3

広島市内ではRCC-1350KHz・NHK第1-1071KHz・NHK第2-702KHz この3局は聞こえるはずと思い込んでいたし、RCCが一番よく聞こえると思い込んでいたためRCCが聞こえない現実に驚きました。
子供の頃に住んでいた場所はそうだったのですが・・・

トランジスタ検波、FET検波、同調コイルの種類、いろいろ変えて試したけど、どうやっても聞けるはずの放送局が聞こえないため(アンテナは無し、または1m程度の電線にて)感度を上げるために再生をかけてみる事にしました。

再生具合の調整には固定の22PFを使いました、発振しないけど正帰還はかかっている状態を実験で求めて決めました
これだとRCCも弱いながら聴くことができました。

ただ、このままだと最も強く聞こえるNHK第1放送がピークで歪んでしまうため本番ではバリコンにする予定です。

検波回路はこれで決定です、トランジスタ・FETのどちらにしてもAMを二乗検波しているという事でしょうかね
半導体の非線形部分を利用して検波するわけですが、回路だけ見ると検波なんだか増幅器なんだか見極めができません
何にしてもダイオード検波と違ってアンテナ無しでラジオが聞けるので便利ですね。

この検波回路ですが、あれこれ定数を変更して動作を確認していたら、実は1.2Vでもラジオが聴けるということが分り突然気が変わって5Vではなくて1.5Vで進める事にしました。
細かい事を言うと1.2Vより1.5Vの方が感度が良いです、ですが1.5Vから電圧を上げて行っても感度の変化は殆どありませんでした。

※同調用コイルについて
手持ちの都合で14㎝長・1センチ径のバーアンテナを使っています
テスト時にはTRIOの並4コイル・高1コイル・2バンドコイルキットの空芯コイルや5㎝程度のバーアンテナなど多数テストしました
どれでも使えますから手持ちがあれば、それを活用されると良いと思います。

続いて1.5Vでスピーカーを鳴らせる回路を考えなくちゃ

とにかく色々試しましたが音質と出力の都合でSEPP方式となりました。

回路図には完成型に近いところからの実験回路を載せています。

  • SEPP実験回路1

最初は2SA1015/2SC1815でテストしていたので2種類の定数を回路図に記載しています
今は2SB772/2SD882の組合せで回路を追い込んでいます
両者の違いは出力です、2SB772/2SD882の方が出力が2倍以上大きいです。

3V以上あればもっと平均的なSEPP回路で構成できると思いますが1.5Vではそうもいかず、こんな回路になっています。
実験中にR4/R5を取り外しても動作することに気付いたため考え直して変形していくとSEPP実験回路2となりました。

  • SEPP実験回路2

こんな簡単な回路でもよく鳴りますよ、ただし電流が凄く流れる(40mAから60mAくらい)
電圧を測るとQ4のベース電位が高すぎて(0.84Vくらいかな)無駄になっているみたいです。
それと歪みやすいので何か工夫が必要ですね。

  • SEPP実験回路3

ダイオードを入れてQ4のベース電圧を下げました、ショットキーの1SS99(手持ちにあったため)を使っていますが1N60でも良好に働きます。
スイッチングダイオード等通常のシリコンダイオードは不可です。
ここに使っている820Ωは最適値のつもりです、330Ω~1KΩの範囲で問題なく動作しますが、入力感度・最大出力・クリップ開始ポイントなどの総合判定で820Ωがベストでした。

このまま2SA1015/2SC1815に変更しても動作しますが出力が小さいです(これだと5mWくらいかな)

全体を組み合わせる前に利得不足を補うためにAFアンプを入れる必要があります

駆動電圧が低いためPNP型トランジスタの方が設計しやすいかと思いましたがダメでした、
実験してると利得も入力感度も高く終段をドライブしやすいのですが歪みやすく使う気になりませんでした。

今度はFETで試してみます、ここも何種類かのFETを試しましたが2SK2881に落ち着きました
とは言っても、問題はドレインに抵抗を使うと電圧ロスが大きく利得が稼げません、そこで小信号トランスのST-12の1KΩ側を使ってチョークトランスの代用としました、このST-12のDCRを測ると1KΩ側は44Ω程度で100KΩ側は1.3KΩ程度です。
(1KΩ側で十分なインダクタンスがあります)

それと、検波後の信号に高周波が予想以上に残っていたので4.7mHのインダクターを入れて阻止しています、1mHでは効果が薄いようです。

ボリュームは殆ど最大で使うことが多いと思いますが電波の強い場所ではうるさ過ぎるほど大きな音ができるので付けといた方がいいと思います。

入手性の高い部品で構成しているので誰でも作れて完成度が高いラジオに仕上がったと思っています。
中波のAMラジオは意外にもいい音がします、アナログで構成した回路は良いですね。

しかし、AMラジオがこんなにも難しいとは今まで気付きませんでした
スーパー方式だと感度ムラもカバーできるのですが、単純なストレートラジオではそうもいかないし、検波回路だけでも奥が深いです。
今回は自分には作れないと思っていた1.5Vでスピーカーを鳴らす回路というのが実現できて嬉しいです、また一つ勉強になりました。

実験中ですが実際に鳴っているのがこちらです

1.5Vでは全体で25mA程度流れます
2Vでは90mAほど流れます
くれぐれも電池2本で3Vで鳴らそうだなんてことを考えないように!感度もSP出力も上がることなく燃えますよ
3Vで使うなら、真面目にSEPP回路をそれように設計する必要があります。

出来上がった回路は、1.2Vから1.6Vの範囲で使う事ができますので乾電池1本またはニッケル水素電池1本での利用がお奨めです。
スピーカーには効率の良い物を使ってください。

boss

written by boss

9 月 15

部品箱を掻き回していたらボールドライブとST-12が出てきたのでダイレクトコンバージョン(DC)受信機を作る事にしました。

ここはやはり完全アナログ式が相応しいでしょう
久しぶりにアナログ式VFOの自作です

今回は先に回路図を考えました
最初は3Vくらいで動作させるつもりだったのでAFアンプには3Vでも動作するらしいTA7368Pを使っています
特になんら工夫のないDC受信機です。

回路図はこちらです

7MHz ダイレクトコンバージョン受信機(アナログ式)

7MHz ダイレクトコンバージョン受信機(アナログ式)

検波にはSN16913Pを使いました
VFOからアンテナへの漏れを押さえるのと感度向上のためRFアンプを入れています。

【VFO】
VFOのバリコンは周波数直線型が良いのですが手持ちには無いのでタイトの容量直線型バリコンを使っています
発振用のコイルはT-25#6に0.16ミリのウレタン線を40回巻いてます
最初はFCZのコイルやら手持ちの7K、10Kタイプなど試しましたがコアの材質が希望に沿わず、いつまでも周波数が安定しないため断念しトロイダルコアに巻きました。
これでスイッチON直後から殆ど周波数はズレることなく安定しています。

固定コイルなので周波数調整用に別途トリマーが必要になり20PFの半固定タイトバリコンから羽をむしり、シャフトも切り詰めて短くし10PFにして使っています。

【RFアンプ】
簡易な回路にしたかったので2SK241で済ませました。予想通り発振しやすいです、アンテナにもよりますが適当に線を垂らして受信するとインピーダンスが高い状態だと発振します、それでドレイン側のコイルはタップダウンしたところに接続しました
それでも、少し強めな信号を受信すると発振するようなのでアンテナ側同調コイルの1次側に510Ωを入れて対処しました。

【検波復調】
気は進まないけどSN16913Pを使いました
このICは変換ノイズが多いように感じます、AF段でガッツリとゲインを取る回路を持ってくるにはマズい気もしたのですが簡単なので使いました。
入手可能な部品でシンプルに済ませるなら、ここは2SK241のソース注入式の方がSNが良いと思います
やる気がある人は真面目にトランジスタかFETでバランス型を組んだ方がベストな結果が出ます。

【AF段】
検波後はRCで簡易なLPF(1KΩと0.1μFの2段カスケード)を形成しST-12で昇圧後に2SK2881で受けています
ST-12は1KΩ:100KΩのトランスなので少なくとも20dB程度は期待していいのかなと思ってみたり・・・
ST-12の2次側のインダクタンスを測ったら40H前後あるんですが測り方間違えたのかな?
それで0.001μFをパラって約800Hzあたりで共振してくることを期待した回路となっています
この状態が負荷で影響されないようにするためFET(2SK2881)で受けています。

2SK2881のソースには最初パスコンを入れていましたが終段のTA7368Pがあっという間に入力オーバーで歪むためパスコンは外して利得は押さえています。

2SK2881を出たらVRがありますが、高域が煩いので0.1μFでアースしてます。
これにより高域が抑えられてCWのトーンはとても聞きやすくなりました。

TA7368Pは今回、初めて使ったのですがポロですね、お奨めしません
ノイズっぽいし、すぐ歪むし、5V以下で使うと発振するし、いいところが見つかりません
まともに使えるように回路を工夫する努力をするくらいなら別のデバイスなり回路構成にした方が良いと思いました。
それとこのICは電源ラインにAF信号がよく漏れます、電源ラインに10Ωでデカップリングしましたが収まりません
LM386はこれで十分効いたのですがTA7368Pはダメです。

【電源について】
VFOの安定化のため、ツェナーを使おうかと思いましたが(計画段階では)4V~13Vくらいの範囲で考えたときに電流制限用の抵抗等、とてもめんどくさい事になるので余っていた低損失の三端子レギュレーターを使ってTA7368P以外の回路にまとめて供給しています。
三端子レギュレータを出た後の1.5μHは気休めでありジャンパー線の代わりに使っただけのことで意味はありません。

電源の入力にはコモンモードのフィルターを入れました
安定化電源から直接供給するとハムが乗ります(アンテナの影響もありますが)ので入れました。
これにより電源からの余計な誘導ノイズも減りS/Nが良くなりました。

【総評】
今回もユニバーサル基板に組みました
基板は小さい(47ミリ×72ミリ)のですが機械的部品が大きくなり、どう配置すると小さく纏められるのか悩みましたが写真のような配置で何とかなりました。

ケースは今回も自作です、1ミリ厚のアルミ板(100ミリ×300ミリ)をホームセンターで買って加工しました
このアルミ板は加工しやすいように柔らかい材質です、そのためヘナヘナでVFOとして必要とする強度がありません。

感度はとても良いです、SSGを持っていないので数値で表せませんが数メートルの電線を繋いだだけで良く鳴ります。

周波数の可変範囲は6.995MHzから7.160MHzとなりました
実は使ったボールドライブの減速比が24:1くらいあるので(通常市販されていたのは殆どが6:1くらいだったと思います)最初は50KHz程度の可変範囲にしたのですがバリコンの特性の都合で使いにくかったので変更しました。

最終的に課題はバリコンかな
これ周波数直線型のバリコンを自作でもしないことには使いにくいです
波長直線型のエアバリコンは手持ちがありますがサイズ的に大きいので使う気にならないし
もしかするとポリバリコンが使えるかもしれません、ただ安定性については試したことないので分かりませんが波長直線型なので今の容量直線型よりは使い易いと思います。

なんであれ、目標にしたことは実現できました
 ボールドライブとST-12を使ったDC受信機を作る。
 低消費電流を目指す(無信号時25mAで最大音量時100mA近く流れます)。
 昔 懐かしの CWトーンを聞きたい。

制作時の様子は以下です
基板に部品を付け始めるところから

部品を順番に付けていく

部品を順番に付けていく

一通り基板は完成

7MHzダイレクトコンバージョン受信機の基板

7MHzダイレクトコンバージョン受信機の基板

続いてケースの加工開始
先ずはアルミの板に寸法だしと穴開けから

アルミ板加工開始

アルミ板加工開始

ちょっと折り曲げてみる

アルミ板を折り曲げ開始

アルミ板を折り曲げ開始

折り曲げ完了

アルミ板を折り曲げてケース製作完了

アルミ板を折り曲げてケース製作完了

基板を取り付けます

基板を取り付ける

基板を取り付ける


この時点で全体の配線手順を考えておきます、けっこう狭いので順番が悪いとやり直すことになりますからね。

バリコン等を取り付ける

バリコンの取付

バリコンの取付

背面に周波数調整用のバリコンのシャフトを出しています

周波数調整用

周波数調整用


ケースの蓋など影響して蓋を開けた状態で調整しても意味が無いので蓋をした状態で周波数調整ができるようにしています。

側面に付けたスピーカー窓穴

側面に付けたスピーカー窓穴


今回は意図的にスピーカーが見よるようにしています。

完成した状態 正面から

完成した状態 正面から


前回のCWトランシーバーの上に乗せてみましたが小さく見えますね
周波数の文字盤は、もう少し煮詰めてから取り付けようと思います、今回使ったボールドライブは2軸構造で減速比が大きいのですが当時あったはずの文字盤を取り付ける金具が見つからないので何かしら細工が必要なんです。

boss

written by boss

8 月 13

arduinoとAd9834を使ったVFOでフルブレークインは難しい事が解りました
その時の課題で反応が遅いarduinoを何とかできないかと模索している状態でした。

動作が遅い原因は
digitalWriteとdigitalReadが遅い事です、これを改善するため直接ポート指定の方法に変更して試したら
今度はshiftoutも遅い事が判明しました。

んー もうワシには分からんよ  トホホ
投げ出したくなってIC-705でも買えばすっきりするのにと意味不明な事をブツブツと

今回は、そのshiftoutを止めて普通の記述に変更してみました
考えたのはshiftoutは8bitずつの転送だから、shiftoutを使わないなら16bitを一気に転送できると思うんです。

調べるとfor文で1bitずつ回して16回送ればいいのかな?と分からないけど勝手な思い込みを始めました。
AD9834の資料を読み直してタイミングについて勉強しましたが分かりません
頭悪すぎでダメですね

ふと、PICだと希望している処理をしてデータ送信しているだろうと思いつきネットで調べたら有りました
ということで、またまたパクリですみませんいろんな人のを参考にさせて頂きました。

それでも、結果的に期待する程のことは無いのですが、今までとは比べ物にならないレスポンスで反応してくれます、かなり高速なCWでも使えると確信できました
期待する程ではないと書いているのは、AD9834の資料を見ると感じるのですがデータを受け取ってDACから出力されるまでには結構時間がかかるような説明です、数値的には良いと思うのですが人間の感性と言うのは測定データでは表せないというか・・・ 本当に僅かなズレが違和感として残るって言うのか

長点で始まる符号は良いのですが短点で始まる符号や短点1個の時は一瞬のズレ(自分の意識とのズレです)が気になります、ようするに立ち上がりが付いてこないからです

これが概ね解決したら今度は別の事が気になりました
キークリックが感じられます
昔流に書くとキーダウン時のキークリックです、送信段の立ち上がりを少しなまらせると良いかも。

フルブレークインからセミブレークインに方針転換したのでエレキーからの出力は2系統あり
送信状態維持とキーイング用の2つです
送信出力は送信段に7.5Vをキーイングに合わせて供給します、最初はそのまま送信段につないでいましたが10Ωと22μFをかましてやることで対策をしました、10Ωは33Ωの方が効果が大きいのですが電圧ドロップも大きくなり送信段のVRを再調整しないと0.8Wくらいに低下してしまいます
僕は調整がめんどくさいので10Ωとしています。

ここのとこのキークリック対策はSメーター基板からメイン基板への配線の途中に入れました、その様子はこちらです。

キークリック対策

キークリック対策

直接、基板に取り付けた部品をアレコレしないで良いから簡単に試せますよ、ピン端子に配線の代わりに抵抗とコンデンサを取り付けてます。

細かいブレークインのタイミング調整はエレキー側でできるので、本体側をつつくのはこれで終了とします。
最終的な回路図はこちらです。

7MHz QRP CWトランシーバーの最終回路図

7MHz QRP CWトランシーバーの最終回路図

自分用の備忘録的に書いた回路図なので読みやすさは考慮していないので分かりにくいも

あっ Poメータの回路は書いてないですね、まあ簡単ですから書く必要も無いでしょ

Sメーター回路は結局簡易な方法にしました
2SC1815は最初は無かったのですが、メーターの倍率器として必要な抵抗値を計算すると全体の合成抵抗から逆算してマズかったのでトランジスタでバランスする電圧を供給するようにしました。
それとメーターにパラッている1N60は選別して使っています
ゲルマダイオードがこんなにバラツキが大きいとは思わなかったぞ
モノによっては0.4Vくらい必要です、これだとラジケーターが簡単に振り切ってしまうので0.2Vくらいのを選ぶと良いです、そうしないと強い信号を受信すると針が音をたててMax側に振り切ってしまいますからね
振り切らないようにVRを調整して感度を落とすと、弱い信号では反応しなくなります。
この0.2Vくらいというのがミソだと思っています(最近ではミソではなく肝なのか)
これでメーター半分くらいまでは感度よく振れて、上の方はダイオードにもバシバシ電流が流れるので分流効果が期待でき、疑似対数動作をしているようです。

DDS VFOのスケッチはこちらです(arduino AD9834 DDS VFO高速化)、今回のスケッチは、不要な消し忘れていた記述も消しています
同じような気持ちでCWトランシーバーを自作される人の参考になれば幸いです。

昔から、自作について 動くと使えるは違うと考えています
 動くものは作れるけど、使える物をつくるのは本当に大変ですね

boss

written by boss

8 月 08

その後、7MHzのQRP CW トランシーバーに簡易ではありますがエレキーとSメーター回路を搭載しました。

ここまでは良かったんですけど
実際に使ってみたら全く使い物にならない事が解りました。
最もダメだったのはフルブレークインができない致命傷です

送受切換についての動作はアナログ部分は比較的良好で内蔵のサイドトーンを聞いてるだけならバッチリOK
ところが、別の受信機で実際に送信される信号を聞いたら、まともに送信できていないのです
動作をよーく観察したら、大きく分けて2件の問題がありました。

arduinoの反応が遅すぎること
エレキーの出力も関係していそう

つまり符号の出始めが欠けるため聞きにくいです、しかも速度を上げると電波の発生も追いつかなくなります。
それでも、内蔵のサイドトーンからは軽やかに聞こえてくるのでいい感じに思ってたのに現実は・・・

この2件を解決しないと使い物になりません

エレキーは実は悩んだ末にarduino pro mini(ATMEGA328Pの3.3V-8MHz仕様)を使いました、つまりarduino nano のUSBインターフェース無しで、しかも低速なモノを使いました。
これも内心予想外のモノだったのであとで感想を書きたいと思います。

前回までに作った部分には手を付けず、エレキーとSメーター回路を搭載するのに、ソケット式にしていたサブ基板に無理やり載せてみました、下の画像で参考になるかと思います。

追加したエレキーとSメーター回路

追加したエレキーとSメーター回路

予定外の回路追加もありぎゅうぎゅうですがうまく載りました。

ちょっと判りにくいかな? こっちの方がいいかな?

追加したエレキーとSメーター回路 角度を変えて

追加したエレキーとSメーター回路 角度を変えて

こんな感じでサブ基板の端っこにATMEGA328Pの基板を取り付けています。

話しを戻して、送受切り替わり時の動作を考えると
受信から送信に切り替わる
この場合、アナログ回路部分はうまく行ってますからDDS-VFOの事だけ説明すると
受信時の16MHz帯から送信用の7MHz帯に周波数変更のデータを送り出すのですが
このアクションについて送受判定のdigitalReadの反応が遅い
その次に、送信判定をしてからDDSにデータを送り出すまでの動作が鈍い(digitalWriteの部分です)
しかも動作が安定するまでには少し時間が必要なようです。

調べたらみんな知ってたんだねarduinoが遅い事を
改善策は直接ポート指定の記述に変更したりしてスピードアップを図りました。
結果的に頭切れでまるでパルス送信機みたいな状態から妥当な動作をする状態にできました。

それで信号をモニターしていて別の事が気になりました
送信電波を発生する瞬間ごとに帯域が広がっている感じ(ジッターなのか?)とキークリック感があります
回路的にフルブレークインのままだと符号が発生するたびに、この現象が続きます
試しに直接送信状態に配線すると、信号の出始めはそうでも直後は安定し綺麗になります。

総合して考えると、これらを解決するにはセミブレークインでしか使えない事になります
そこで今度はエレキー側で小細工をすることにしました。

これに伴いエレキーも反応速度を上げるために直接ポート指定の記述に変更をし、それと2系統の出力をするようにプログラムの変更と回路を追加しました
追加した回路は1系統は送信時に7.5Vを出力する回路(こっちがキーイング用でOUT2とする)
そしてもう一つは送信を維持する出力です(OUT1とする)

本機のメイン基板はピンヘッダーを立てて配線を工夫しておいたので、配線の取り回しを変更するだけで対処可能でした。

このセミブレークインの動作は、パドルを操作すると受信から送信に切り替わりOUT1により受信部OFFでDDSから7MHz帯を出力した状態が続き
ドライブと終段に対してOUT2でキーイング動作となります

OUT1の保持時間は0.1秒程度だろうと思います
これはATMEGA328Pの反応の悪さを利用して時間稼ぎしています
つまりセミブレークインではありますがかなりフルブレークインに近い動作です。

他にも工夫はしましたが、とりあえず使い物になってると感じるので、しばらくこれで終わりにしようと思います。
完全フルブレークインを実現するには、プリミックス型のトランシープトランシーバーの構成でないと今の自分のスキルでは無理かと思います。

好奇心的な課題としてはarduinoからAD9834へのデータ転送のスピードを現状よりさらに速くしてみる事です
少し試しましたが、AD9834がそれについてこないみたいで(タイミングチャートで調べたら無理な気がしてます)誤動作するのでもっと勉強してからになると思います。

あっそうそう
今回、安くて小型だったATMEGA328Pですが、省エネかと思って買った3.3Vの8M仕様は5Vの16Mと変わらないような気がしてます、3.3Vで動かすと実測で5.2mAでした
RAW端子から5Vを入れると7mAを超えます、レギュレーターでロスるのでしょう

別の用途で利用する計画があったので6個買ったのですが、たいした省エネ効果も無いので5V仕様の方を買えばよかったと後悔しています(安い授業料ではありますが)。

boss

written by boss

7 月 26

7メガのCW(QRP)トランシーバー完成(完成とは言っても、とりあえずですが・・・)

バラックのままだと、そのまま放置する可能性もあるから思い切ってケースに入れてみました
ケースはアルミ材を買って加工し、今回はめずらしく塗装もしてしまった。

正直言って、嫌々ケース加工を始めたから、もーめんどくさくって途中の写真はありません

ケースの様子から

1.2ミリ厚のアルミ材を加工しトランシーバのケース作成

1.2ミリ厚のアルミ材を加工しトランシーバのケース作成

蓋を止めるのに今回はカレイナットを打ち込んでみます
4.5ミリの下穴をあけてからネジで締めこむとOK
これって昔はインサートナットと呼んでいたんだけどカレイナットって言うだね 知らんかった。

カレイナット用4.5ミリの下穴

カレイナット用4.5ミリの下穴


カレイナットを取り付けたところ

カレイナットを取り付けたところ

終段の放熱器を作り替えてスピーカー取付台にしました。

放熱器を加工しなおしてスピーカー台に

放熱器を加工しなおしてスピーカー台に

ケースはできるだけ小さめにしたから一度基板を取り付けたら、もー外したくいので小細工をしてSメーター回路は後日取付できるようにしました。

サブ基板用ソケット

サブ基板用ソケット


サブ基板に後日Sメーター回路を作る予定

サブ基板に後日Sメーター回路を作る予定

塗装してレタリングをしてみた
このレタリングは最近は売ってないみたいで驚いた、しかたなくオーディオ用のを見つけたので買ってみたが必要な文字が足りなくて、適当にできる範囲でやってみた。 なんだか気に入らないけど仕方ない。

塗装してみた

塗装してみた

LCDは両面テープで固定しラジケーターはきつめに加工した開口部に押し込んでいるだけです

部品を取り付けて動作中

部品を取り付けて動作中

中の様子です

ケース内の様子

ケース内の様子


かなり狭いです

かなり狭いです

蓋をしてみたところです

蓋を取り付けた様子

蓋を取り付けた様子


蓋を取り付けた様子 斜めから

蓋を取り付けた様子 斜めから


仕上がり外寸は幅13.9㎝・高さ6㎝・奥行10.8㎝です(突起物含まず)。

気が向いたらのことですが、エレキーと納得のいくSメーター回路を後日搭載したいと思っています。

配線が完了する間際になってスイッチを1つ付けるのを忘れていることに気づきました
なんと、RITのon/offスイッチが無いのです 正確には取付穴が無いのです
忘れてましたぁ すっかり忘れてて パネルへの部品配置を考える時に完全に忘れたまま作業を進めてしまいました
1チャンネルだけメモリーを搭載しているのですが、それは諦めてメモリーの書き込みボタンをRITのスイッチにしました。
実使用時にはメモリーよりRITでしょってことで諦めます
しかし、メーカー製の無線機をお使いの方が多いのでRITは必要無いのかもしれませんし、どうなんでしょ?

それと、スピーカーはこのボックスに入ったものですけど、自分で買った記憶はありません
貰ったのかなぁ?
2個あってスマホ用のステレオスピーカーだと思いますがとても口径の小さい物が使われています、このボックスに入った状態がちょうどCWの受信音にぴったりで800Hzあたりに共振していい感じです。

スピーカー

スピーカー


あっ 思い出した
これモニターだったか小型テレビだったか、壊れたのを分解した時に、内蔵されていたのを外して持ってたんだ。

Sメーター用のラジケーターは物置をゴソゴソしていたら1個だけ発見しました、調べるとすごく感度が悪くて使いにくいです。
560μA計ですね 感度ワルぅ
最初はOLEDでも付けてアレコレしようかと思ったり、あっさり何も無しで良いかとも思ったけど、ラジケーター見つけたので取り付けました
現在は仮のSメーター回路で動かしてます、もちろん送信時にはPoメーターとして機能してます。

アルミ材は1.5ミリと1.2ミリ厚のを買いましたが1.5ミリの方は加工がめんどくさいので止めました、結果的には1.5ミリにしなくて良かったです、理由は取り付ける部品によってはネジのかかりがギリギリだったからです。

■2020年7月28日追記
短時間だけど完成した本機を使っていたらRITよりメモリーの方が必要に感じて、当初の予定通りパネル面に付けていたスイッチはメモリーのリード・ライトとして使えるようにしました。

そうするとRITが使えないですよね
ふと思いついたのが周波数ステップの切替に利用しているロータリーエンコーダに付属のプッシュスイッチです
現在は押すたびに10Hz・100Hz・1KHzとステップが切り替わります
このスイッチを利用することにしました

長押し判定をスケッチに追記して短押しでは周波数ステップの切替、長押しでRITのon/off切替としました。
やっぱこれ便利だなぁ 配線とか機械加工もしないで既存のままで機能が変更できるのは有難い事です
それでやったことも無い長押し判定とやらをすることに成功しました(初心者なりに嬉しいです)

スケッチを変更したので最新の状態のモノはこちらです(別窓で開きます)
前回のとはケースに入れたときの配線に合わせてpinアサインが変わっています、それと長押し判定対応へ書き換えてます
興味のある方はご自由にご利用ください。

RITを表示させている様子です

RITも使えるようになりました

RITも使えるようになりました

やっぱ 必要は発明の母 ですね いい勉強になりました。

boss

written by boss