9 月
15
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部品箱を掻き回していたらボールドライブとST-12が出てきたのでダイレクトコンバージョン(DC)受信機を作る事にしました。
ここはやはり完全アナログ式が相応しいでしょう
久しぶりにアナログ式VFOの自作です
今回は先に回路図を考えました
最初は3Vくらいで動作させるつもりだったのでAFアンプには3Vでも動作するらしいTA7368Pを使っています
特になんら工夫のないDC受信機です。
回路図はこちらです
検波にはSN16913Pを使いました
VFOからアンテナへの漏れを押さえるのと感度向上のためRFアンプを入れています。
【VFO】
VFOのバリコンは周波数直線型が良いのですが手持ちには無いのでタイトの容量直線型バリコンを使っています
発振用のコイルはT-25#6に0.16ミリのウレタン線を40回巻いてます
最初はFCZのコイルやら手持ちの7K、10Kタイプなど試しましたがコアの材質が希望に沿わず、いつまでも周波数が安定しないため断念しトロイダルコアに巻きました。
これでスイッチON直後から殆ど周波数はズレることなく安定しています。
固定コイルなので周波数調整用に別途トリマーが必要になり20PFの半固定タイトバリコンから羽をむしり、シャフトも切り詰めて短くし10PFにして使っています。
【RFアンプ】
簡易な回路にしたかったので2SK241で済ませました。予想通り発振しやすいです、アンテナにもよりますが適当に線を垂らして受信するとインピーダンスが高い状態だと発振します、それでドレイン側のコイルはタップダウンしたところに接続しました
それでも、少し強めな信号を受信すると発振するようなのでアンテナ側同調コイルの1次側に510Ωを入れて対処しました。
【検波復調】
気は進まないけどSN16913Pを使いました
このICは変換ノイズが多いように感じます、AF段でガッツリとゲインを取る回路を持ってくるにはマズい気もしたのですが簡単なので使いました。
入手可能な部品でシンプルに済ませるなら、ここは2SK241のソース注入式の方がSNが良いと思います
やる気がある人は真面目にトランジスタかFETでバランス型を組んだ方がベストな結果が出ます。
【AF段】
検波後はRCで簡易なLPF(1KΩと0.1μFの2段カスケード)を形成しST-12で昇圧後に2SK2881で受けています
ST-12は1KΩ:100KΩのトランスなので少なくとも20dB程度は期待していいのかなと思ってみたり・・・
ST-12の2次側のインダクタンスを測ったら40H前後あるんですが測り方間違えたのかな?
それで0.001μFをパラって約800Hzあたりで共振してくることを期待した回路となっています
この状態が負荷で影響されないようにするためFET(2SK2881)で受けています。
2SK2881のソースには最初パスコンを入れていましたが終段のTA7368Pがあっという間に入力オーバーで歪むためパスコンは外して利得は押さえています。
2SK2881を出たらVRがありますが、高域が煩いので0.1μFでアースしてます。
これにより高域が抑えられてCWのトーンはとても聞きやすくなりました。
TA7368Pは今回、初めて使ったのですがポロですね、お奨めしません
ノイズっぽいし、すぐ歪むし、5V以下で使うと発振するし、いいところが見つかりません
まともに使えるように回路を工夫する努力をするくらいなら別のデバイスなり回路構成にした方が良いと思いました。
それとこのICは電源ラインにAF信号がよく漏れます、電源ラインに10Ωでデカップリングしましたが収まりません
LM386はこれで十分効いたのですがTA7368Pはダメです。
【電源について】
VFOの安定化のため、ツェナーを使おうかと思いましたが(計画段階では)4V~13Vくらいの範囲で考えたときに電流制限用の抵抗等、とてもめんどくさい事になるので余っていた低損失の三端子レギュレーターを使ってTA7368P以外の回路にまとめて供給しています。
三端子レギュレータを出た後の1.5μHは気休めでありジャンパー線の代わりに使っただけのことで意味はありません。
電源の入力にはコモンモードのフィルターを入れました
安定化電源から直接供給するとハムが乗ります(アンテナの影響もありますが)ので入れました。
これにより電源からの余計な誘導ノイズも減りS/Nが良くなりました。
【総評】
今回もユニバーサル基板に組みました
基板は小さい(47ミリ×72ミリ)のですが機械的部品が大きくなり、どう配置すると小さく纏められるのか悩みましたが写真のような配置で何とかなりました。
ケースは今回も自作です、1ミリ厚のアルミ板(100ミリ×300ミリ)をホームセンターで買って加工しました
このアルミ板は加工しやすいように柔らかい材質です、そのためヘナヘナでVFOとして必要とする強度がありません。
感度はとても良いです、SSGを持っていないので数値で表せませんが数メートルの電線を繋いだだけで良く鳴ります。
周波数の可変範囲は6.995MHzから7.160MHzとなりました
実は使ったボールドライブの減速比が24:1くらいあるので(通常市販されていたのは殆どが6:1くらいだったと思います)最初は50KHz程度の可変範囲にしたのですがバリコンの特性の都合で使いにくかったので変更しました。
最終的に課題はバリコンかな
これ周波数直線型のバリコンを自作でもしないことには使いにくいです
波長直線型のエアバリコンは手持ちがありますがサイズ的に大きいので使う気にならないし
もしかするとポリバリコンが使えるかもしれません、ただ安定性については試したことないので分かりませんが波長直線型なので今の容量直線型よりは使い易いと思います。
なんであれ、目標にしたことは実現できました
ボールドライブとST-12を使ったDC受信機を作る。
低消費電流を目指す(無信号時25mAで最大音量時100mA近く流れます)。
昔 懐かしの CWトーンを聞きたい。
制作時の様子は以下です
基板に部品を付け始めるところから
一通り基板は完成
続いてケースの加工開始
先ずはアルミの板に寸法だしと穴開けから
ちょっと折り曲げてみる
折り曲げ完了
基板を取り付けます
この時点で全体の配線手順を考えておきます、けっこう狭いので順番が悪いとやり直すことになりますからね。
バリコン等を取り付ける
背面に周波数調整用のバリコンのシャフトを出しています
ケースの蓋など影響して蓋を開けた状態で調整しても意味が無いので蓋をした状態で周波数調整ができるようにしています。
今回は意図的にスピーカーが見よるようにしています。
前回のCWトランシーバーの上に乗せてみましたが小さく見えますね
周波数の文字盤は、もう少し煮詰めてから取り付けようと思います、今回使ったボールドライブは2軸構造で減速比が大きいのですが当時あったはずの文字盤を取り付ける金具が見つからないので何かしら細工が必要なんです。