IC-7300の時計用電池を交換してみた
買って2年ほどで時計用の電池がダメになり半年以上そのままにしていたのですが
よくよく考えるとダメになった電池は放置しておくと液漏れでマズイことがあるのでもしかしたらと思い交換することにしました。
回路図と基板図を見て場所の特定をしておきました
実際に蓋を開けて基板を見たらバッチリ半田付けされていてしかも小さい
えー なにコレ なんでやねん
どうしてソケット式にしてくれなかったのかな?
この電池の場所はIC-7300の底面カバーを外すと、正面のカードスロットの裏側辺りに位置していますから目視で簡単に見つかります
作業中にSDカードスロットへのフラットケーブルが邪魔なので取り外してから作業しました
交換自体は簡単なのでメーカーに依頼するほどのことは無いと思います。

Main unit Bの回路図から切り出しです
BT381の部品番号が書いてあるのが電池です。
型番はML414H1V01Eとなっています。

基板の配線図です、該当箇所のみですが、大きなICの近くにあります
RTCは IC381 です
半田付けしてあるから10年くらいは使えるのかと思ったが
都合のいい思い込みだった。
いろいろと資料を見ると電池は充電式のリチウム電池のようです、しかも3.7Vではなくて3Vの二次電池が必要な事が分かりました
型番で言うとML414HシリーズでSEIKOの製品のようです
公称電圧3Vで1mAhの仕様と書かれています。
こんかい交換する電池はIC-7300のRTCのバックアップに使われています
エプソンのRX-8803LCが使われていてこれがRTCです、これのデータシートをみたら標準では3V動作で最低電圧は1.6Vとなっていて、バックアップだけなら消費電流は0.75μAのようです。
というわけでIC-7300の回路図で確認すると3Vの二次電池を探せばいいという事でamazonで探してみるといくつか見つかりましたが信頼性を優先してパナソニック製のML2020を選びました、これも端子形状で何種類かあるようですから自分で作業しやすいのを選べばいいです。

画像に向かって上側がプラスです
マイナス側はサーマルランドになっているので大容量の半田ごては必要ありません
奇麗に基板を傷めないように取り外すには電池のプラス側の端子金具を精密ニッパーで丁寧に慎重に切断してからマイナス側の半田をコテで温めると簡単に外れます。
それからプラス側に残った金具を外すと奇麗に基板を傷めずに作業できます。

こんな感じで簡単に奇麗に外せます、半田吸い取り器か何かで処理をしておきましょう。
黄色で囲った3.3kΩは必須です
これを壊さないように注意深く作業します。
それと順番が後になってしまいましたが作業しやすいように邪魔な配線は外しておきます。

もともとはカードスロットへ白色のフレキシブル配線が刺さっていますが簡単に抜けるので作業前に取り外しておきます。
この画像は取外し後のものです
純正よりもかなり大きいサイズのML2020です、直径が2センチあります、もっと小さいのにすれば良かったと思いました
ダメになった電池を基板から取り外して、そこのランドからリード線で延長して熱収縮チューブで絶縁して筐体側面に貼り付けました。
作業はこれだけの事ですから簡単に終了しました。


大きなICがあって、なんとなくその上に貼り付けたいところですが、決してそんなバカな事はしないようにしてください。
ML2020を受取って電圧を測ったら2.76Vでした、取り付けて20時間くらいIC-7300に電源を供給した後に電圧を測ったら2.84Vでした
ゆっくりですが充電はされているようです。
回路の定数は1mAhの二次電池用に考えられたものです、そこへ45mAhのものを付けたのですから本来は3.3kΩの抵抗を変更するべきかもしれませんが充電時間が長期間かかる程度の事なので問題ないでしょう。
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