ということで、前作に続いて早速パート2を作ってみた
前作のマイクを2個使う遊びを廃止してシンプルに纏まらないかというのが狙い。
リミッティングアンプ 第2弾
グライコは継承しつつ最小限の構成に変更しました。
1. 【正負両電源について】
電源部は78・79シリーズにして固定電圧にしようと思ったら、製造中止だったりして希望の電圧のモノが揃わず入手難になっているのを知りました
結局、今回も317・337の組み合わせで電源を構成しています、それのおかげで出力電圧は入手できる電源トランスに合わせて設定できるので便利かもしれません。
これらも運良く手持ちに複数個あるからいいのだけど、この先はどうなることやら・・・。
2. 【M5283Pの使い方について】
M5283Pのデーターシートをよーく見たら、このICは2ch分入ってるのは分かっていましたが電源ラインも独立していることに今更気づきました
ただし、-VCCだけは放熱のため内部で結線していると書かれていますので、使わない方のチャンネルはGNDと+VCCを結線しなければ消費電流も半分で済むのではないかと思います。
3. 【スルーレートの高いオペアンプを使ってみる】
ちょっと贅沢をしてスルーレートの高いオペアンプを2つ使ってみました、場所は回路図のU5とU6のところです。
OPA2134APは高価ですね、20V/μSですが、どうなんでしょうね。
4. 【グライコの周波数設定について検討する】
よーく考えたら、自分が使う無線機の事を知らないと意味ないですよね、もしかしたら300Hzから2.4KHz程度の帯域なのかもしれない、
いまさらながらIC-7300はどうなん?
実測してみるぞぉー
理由は有りませんが何気に100Hzを入れたときに5W出るように各部設定し、これを起点として測ってみた。
100Hzから2.9KHzの間はフラット
3KHz以上はガクッと落ちて急峻にカットされている
下は83Hzで-3dB(電力比)落ち、このあたりから下はガクッとカットされる感じ、流石にソフトラジオだな、デジタル処理がバッチリされていますな
内心、ここまで低域が出せるなら、いっそのこと50Hzまで出せればいいのにと思ってしまった。
これはフィルターの設定でFL1・FL2・FL3とあるが受信時については指定した帯域で動作するが、送信時はどの設定でも一律の帯域幅(100Hzから2.9KHz)で動作するようである。
幸いにもIC-7300はSSBの帯域幅はよく頑張っていると思われます。
この事からもグライコの周波数は各自の無線機に合わせて変更しないと効果が発揮できないということだな、特に高域側は帯域内で処理できるようにするべきです。
測った時の数値でグラフにしてみた
Transmission band characteristics(IC-7300)
Transmission band characteristics(IC-7300)
Hz / W
70 0.1
80 1.7
83 2.5
90 4
100 5
240 6
500 5.8
1000 6
1500 5.5
2000 5.5
2400 6
2700 6
2900 5.5
2950 1
2990 0.1
3000 0.08
前作では低域を100Hzにしたけど、冷静に考えたら自分の声は低くないのと声の通りは悪いため200Hzに変更した。
下記の方に掲載の回路図の定数で作ると200Hzと2800Hzのグライコになります。
部品を取り付け終わって早速動作テストしてみたら、動作は良好なんだけどグライコの効きが悪いのと音が前に出てこない、つまり了解度が悪いのだ。
しばし考えた末にアタックが速すぎるのが問題なんだろうと思った。
ここはバランスが大事なんだろうと思われる
とにかく、音の立ち上がりがバシバシ抑えられてしまって妙な感じになった
ここらへんのICをNJM4580DDからOPA2134APにしたためカタログ通りスルーレートが高く反応が良すぎるみたいなのでNJM4580DDにしようかとも思ったが最終的にはアタックタイム調整用の抵抗R43を何種類も付け替えてテストした結果手持ちの中から51Ωあたりが塩梅が良さそうなのでそうした。
第2弾の回路図はこちらです
回路図をPDFでダウンロードできます →
真似する人のために回路の気になるポイントを簡単に説明しときます
R1とR9で約1/2VCCにしてR2でECMへ供給します、ECMが300μA流れるのでこれらの定数でECMへは3.7Vくらいかかりちょうどいいです。
基板にはR4を実装できるようにしていてECMのソース抵抗として使いますが、実際にはECM側にチップ抵抗を付けているのでR4は実装しません。
(電源電圧は正負12.7Vです。)
M5283Pは1ch分しか使わないのでこんな感じの結線です、これだとチャンネル2だけの利用となります、やはり消費電流は半分になりました。
プラス側が17.2mAでマイナス側は9.2mAです。
(電源電圧、正負12.7V時)
ここのR24とR59は本来は必要ありません、自分で基板をデザインする人は不要なので気にしないでください。
たまたま、自分の場合は配線上の都合です、ジャンパー線が必要になって便宜上これら抵抗を入れただけの話しです。
電源部の出力にわざわざこんなものを入れてます、1Ωとコンデンサのデカップリングです、実は消費電流を測りやすくするために入れました。
LEDって書いてあるところは、1つは基板上に直付けしてて、もう1つはメーターの照明に使ってます。
ここはメーターを振らす回路ですが、抵抗のR49は計算上は4.3kΩが適正値です、R50の620Ωは使った500μAのメーターのDCRを測ったら620Ωだったので1/2に分流すると計算が簡単になるのでそうしただけです。
それでR49は現在3.3kにしてます、この方がメーターがよく振れるものですから楽しいです。
OPA2134APを使ったらスルーレートが高いせいかR43は51Ωになりました、NJM4580DDのように5V/μSのオペアンプなら10Ω以下がいいよ。
リリースタイムはR42の1MΩで計算上は10秒なんだけど実質は7秒ってところです。
前回のから基板だけ入れ替えたのでこんな感じになりました。
部品が減ったけど、基板のネジ穴の都合で全体のサイズはそのままです。
ということで第2弾は纏まりました。
回路図には記入していないものとしてオペアンプなどの電源ラインに入れるパスコンは全て基板の裏側にチップコンを付けてます、それとLPF用のコンデンサもチップコンで裏側に付けてます。
回路全体の消費電流はプラス側が53mAでマイナス側が40mAです、このことから小型の電源トランスを探して使ってみようかといのうも計画にはあります。
最後に、勘違いしている人もいるかと思うので書いておきますが
リミッティングアンプを作った最大の目的はレベル管理です。
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