以前に1496(NJM1496D/MC1496P)を使ってSSBトランシーバーを作る
そんな宣言をしたままDSBトランシーバーを作ったら満足してしまい放置状態だったので今回は真面目に取り組んでみる。
作るきっかけになったのは、放置していたことへの反省もあるがヤフオクでVFOユニットを買ったので気持ちが高まったっていうのが正直なところかな。
今年は年明け早々にヤフオクでアンテナチューナーを3台も買ったけど、実はこのVFOとFT-101ZSDも懲りずに買っていたのだった。
八重洲無線のVFOは好きだなぁ メカギヤとボールドライブとで減速された、あの回すときの感触は好きです。
で、FT-901の後期型VFOと書いてあったのでボッタクリ価格だったけど買いました、FT-901の初期型だったりFT-101Z用は、どーでもいいと思っているので、とにかくコレが欲しかったんだな。
手に入れて眺めていたらケースに入れてみたくなり、その延長線上で放置していた1496を活用したSSBトランシーバーを作る運びとなりました。
40年以上前に買っていたケースを引っ張り出してきて加工をしました、今はVFOを取り付けているだけです。
ケースの構造上、ギリギリの寸法ですが慎重に位置決めしドリルで開けまくった穴を連結しザックリと大穴にしたらヤスリでしこしこする疲れる作業です、確かパネルは3ミリくらいの厚みがあった気がするので疲れました。
VFOの周りを囲っているアルミ板は、このケースの残りスペースにアレコレ配置するには厳しそうだったので、いくつかのユニットはVFOの側面に取り付けようと思って、こんなふうにしました。
電源トランスも入れる予定なので、たぶん最終的には1W程度の送信出力がいいところかなって思います。
こんな感じですが、どんな回路を搭載するか思案中なので、これ以外のパネル加工はまだしていません
しかも、デジタル表示にするかどうかも決めていないし、機械式のメーター(Sメーターとか)のことも考えると、いったいどうなることやら・・・
悶々と考えて目標は自分の好きなアナログVFOですしモノバンドではもったいない気がして最終的に4バンドとしました。
7・14・21は昔から必須と思っているのですが、今回は嫌いな3.5メガも搭載することにしました。
もしかして、この自作機が気に入ったら田舎へ帰省した際に夜間は3.5が楽しいかもしれないって思ったからです。
なんせ家の周りは畑だらけで3.5のダイポールくらいは簡単に張れるからね。
問題は回路です、今日のこの時点でも全体の回路図は書き上げていませんが、部分的に実験しながら進めることにしました。
押さえておきたいポイント
- シングルスーパー方式で1stMixerと復調用MixerにNJM1496Dを使う。そして、この部分は送受共用する。
- バンドの切り替えはBPFをダイオードスイッチで切り替える。
- RFアンプにはノートンアンプを使ってみる。
- クリスタルフィルターはラダー型で作る。
- 送信出力は1Wを目指す。
- 電源部内蔵とする。
これらを目標として設計開始しました。
とりあえず、ある程度作り進めないと始まらないので最初の基板を作りました。
小さくて読めないと思うのでPDFにしたのがこちらです。4BAND TRX MainUnit-A
これは全体の4分の1くらいで基板のサイズのこともあり、IFの出力の所で一区切りです。
これでも基板サイズは78ミリ×130ミリになりました。
回路図を書く前に最小限の予備テストというのかバラックで動作確認はしますが、回路としてまとめた場合の動作は作ってみないと分かりません。
先ずはBPFの動作がどうなるのか部品を付けて測定してみました。このBPFは他の所でも同様な手法で使うため、ここで上手く動いてくれないと先へは進めません。
それとダイオードスイッチで切り替えるのですが本当にうまく行くのか分かりません。
回路図のとおりですが、3次定型型BPFで基本中の基本です。7メガ用だけをバラックでテストし、その内容を基にして実装しました。
回路図では上から80m・40m・20m・15mですが、基板上ではコネクタに近い方を15m用にして配置しています。
回路図上の定数で、たとえば20m用のL7は2.5μHとかって書いていますが、トロイダルコアに巻いて作るので、希望通り容量にはならないため、値はただの目標値です、巻きすぎよりは少なめの方が良かったりしました。2.5μHを目標に巻いたのを実測したら2.38μHしかありませんでした。
回路図にはコンデンサーを2個並列に取り付けるようにしています、基本は1個で1つは調整用です。
実際に作って測ったときに足りなければコンデンサーを追加して調整します。
このBPFで苦労したのは切替用のスイッチングダイオードです、もちろんトロイダルコアに線を巻くのはクソ疲れますしメンドクサイです。
それとダイオードスイッチで信号経路を切り替えること考慮してフィルター構造を考えると
この平凡な3次定型型が都合がいいのです、回路図を見て頂けたらお分かりになると思います。
ここのダイオードは1SV308を使っています、off時のCが少ない事(データシートでは0.1pF)、on時の抵抗が低い事(データシートでは1Ω)なんだかすごいなーって思った、当初は1SV157で構成しようと思い大人買いをしたのですがOn時の抵抗が5Ωあるから、50Ωに対して5Ωってどうなんだろうって迷いました、その時IC-7300に1SV308が多数使われているのを見て急遽変更。
データシートを見たときに上記のとおり特性は良いのですがサイズを見たら愕然としました、とにかく小さい、チップの長さが1.2ミリしかない、リード線は0.3ミリだったかな。でもこれを使うと決めたので入手して手半田で取り付けました。
赤丸で囲ってるのが1SV308です、カソード側に白ラインが書かれているのですが老眼なので見えません。
袋から出したら、最初はゴミが入っているのかと思いました。
これをルーペ眼鏡で見ながら取付けました、ある意味楽しいぞ。
この基板MainUnit-Aで8か所、予定では全体で24か所使うのでクシャミで飛んでいかないようにしなくちゃ。
BPFの巻き数を載せておきます。
それから、BPFの特性をNano-VNAで計ったので載せておきます。
帯域は測ってはいますが数字としては割愛します、目的バンドに対して2倍の周波数で30dBは減衰しているのでよしとしました。フラットなところだけで言うと7メガの帯域は2メガくらい、3.5はその半分で14は2倍・・・ そんな感じです。
最初、20mバンドだけ妙な特性でした。
2.5μHを得るのにたくさん巻くのが手間なのでFT-23-61を使ったのですが、これがダメだったようでT-25-2に変更したら期待した特性になりました、その分たくさん巻く必要がありますがしょうがない
それとダイオードスイッチでの切り替えもバッチリOKでした、フィルターロスは全体で-2.5dBくらいです。
こんな感じで無事にBPFが構成できました、これで先に進めますね
ついでに1SV308の使い方について書いておきます。
1SV308を良好に使う方法
これはpinダイオードです、データシートを見ると、off時の最小容量(0.1pF)とするには逆電圧をかけることが条件となっています。
データシートのグラフから推察すると1V以上あるといいみたい。
そしてon時の抵抗を下げる(つまり1Ωを目指す)には10mA流す必要がある。
この条件を満たすためにon時は8Vで順電圧をかけ、off時は12Vを逆電圧としてカソードにかけます
アノード側は8Vなので差し引きoff時は4Vの逆電圧がかかっていることになります。
ON時は各ブロックで2本あるので合計20mAほどです、ダイオードスイッチにしたところで部品数や配線の都合で小型化には貢献しません。近年はリレーで切り替えるのが王道かもしれません。
次はノートンアンプですね
はぁー これも上手く行くのかなぁ
トロ活によれば これはノートンアンプと呼ぶらしい
無線機メーカーさんも利用されている回路手法で現在では珍しくもないモノです
ワシには初めての物なのでちょっと心配。
既に基板にはそのつもりで搭載したので、動作テストをして希望通りになるのかどうかやってみます。
部品の選考から始めました、使うトランジスタはftの高いモノ、それとコア類はFB-801-43は大きくて嫌いなので別のを探して使います。
参考にアイコムと八重洲無線のHF無線機の回路図を見たところ、2SC3356が人気あるようですね秋月電子で売ってるから候補としておきます、ついでに1番違いで2SC3355が秋月電子にありますね
データシートを確認したらいい感じなので2SC3355に決定。
続いてコアをどうしよう 特にメガネコアが問題
小さいメガネコアは探せばかなり小さいもが売られていますがUHF用のが多くてHFには使えない事が多いです。昔はアミドン社から直接買っていたのですが、最近はネットで確認したら送料がバカ高なので国内の通販サイトで探すことにしました。
最終的に選んだのは「サトー電気」さんで売ってるメガネコア小とビーズを2種類買いました。
実装前に試したところFB-801を2個眼鏡状にして1回くぐらせると2.55μHでメガネコア小が1.55μHありました、このことから十分使えると判断しました(3メガ以下は対応できなくてもいいので)。
サイズは7ミリ巾・5ミリ奥・4ミリ厚みなので希望していたサイズにぴったりです。
次にビーズ(B3550)は穴径が0.5ミリの方は電源ラインのデカップリングに使います、1回通すと1.4μHありました。実測上はFB-801(1.2μH)より多いです。
残りのビーズは4.6φ×6.9ミリLで穴径が1.2ミリあり、たくさん巻けそうなのでRFCとして使うことにします、このビーズは1回通しで3.5μHありました。
これをノートンアンプのエミッタ側に入っているRFCとして使います、ちなみに4ターンで使っていますが実測すると60μHもありました。まじかーって思いました。
2SC3355はTO92なのでそのサイズと比べてみてください。
メガネコアのサイズは丁度いい感じだしRFCも邪魔にならないサイズで収まっています。
夫々のコアは基板から少し浮かして取り付けています。
回路図を書いている時に2SC3355は足の並びが違うからあとで変更しようと思っていたら、すっかり忘れてECBな並びで基板にしてしまいました。
基板が手許に届く前日に気が付いて、その時はすっかりやる気を失ってしまいました
2SC3355はBECの並びなんです、思案の末 足を曲げてECBの基板あうようにしました。
さて、このノートンアンプですが、電流値を決めるためにバイアス回路など最小限のみでブレッドボードを使って予備確認をしました、目標にしているのはデータシートから判断して30mAでの動作です。
10Vかけて30mAだと300mW んー やはり熱くなりますね。
理想は40mAなんですけど無理なのは分かっているので30mAを目指します、まあ電圧を下げるのもありかもしれませんが・・・
最低でも20mAは流さんといけんねって心に誓い温度を測ってみると やっぱ熱い
開始時に27mAで、その後温まってくると30mAくらいで安定はしますが筐体に入れると更に加熱する、しかもブレッドボードは時々接触不良で35mA流れてみたり当てにならん
その時の抵抗類の定数はエミッタ33Ω、ベースは330Ωと1.6kΩ、コレクタには10Ωでテスト、
熱いとは言っても50度程度になるだけなのでトランジスタとしては問題ないのですがちょっと気になる。
とにかくこれで、RFアンプ部も実装してテストしてみよう。
基板に実装したら、もっと熱くなりました。変更後の定数は回路図のとおりですが、文字で書くと
エミッタ47Ω、ベースは1kと4.7k、コレクタ10Ω これが決定した定数
テスト時は10.5Vでしたが実装時は10.8Vの供給電圧です。
これで23mAで始まって温まってくると25mAあたりで安定しますからこれで良しとします。
あっそうそう、これ本当にアンプになっているのかテストする必要があります
Nano-VNAで計りますが10dBのATT経由(RFアンプの利得が10dBあると仮定して)です。
ちょっと分かりにくいですよね
呆れるほど広帯域です
90メガあたりまでほぼフラットです。
数字ていうと帯域は1dB下がったところが下は1.8メガで上は95メガあたり
-3dBで見ると下は652KHzで、上は144メガという結果です。
利得は9.5dBしかありません、まあ10dBの利得と言ってもいいかもしれません
4メガから90メガがフラットな帯域です、3メガでは0.5dBくらい低下しますが誤差のうちだよね。
たかが最大10dBのアンプなので、最初からあっても無くてもいいのかも知れず
いずれにしても、目標としている4BAND仕様には十分な結果が出ました、むしろ伸びすぎる上を抑える必要があるかもしれません。
本日はここまで
少しずつ進めているので気長にお付き合いください
4月13日 クリスタルフィルター
先日までのテストでBPFとRFアンプは良い感じなので、次はクリスタルフィルターのところを確認します。
回路図のとおりなんですが以前にDSBトランシーバーを作った直後にこんな感じのフィルターで行けると思っていたモノです。
基板にはこんな感じで並べています。
Y1とY7がパラってあります
基本的には6ポールのラダー型クリスタルフィルターです。
このフィルターに使ったクリスタルはUM-1(UM-5と同サイズ)と呼ばれているようです。
秋月電子で1個30円だったかな? 周波数は12.8MHzです。
これを選んだのは小さい事・希望していたIF周波数に近い事・日本のメーカー(勘違いかも)、この3点が決め手ですね。
このヘルツ製のクリスタルを大人買いして発振周波数を調べると、最大値と最小値で150Hz以内に収まっていて、ほとんどは100Hz以内に分布しています、つまり無選別で使えるし、大人買いしなくても必要最小個数だけ買っても失敗しないと言えます。
あまりにも発振周波数にバラツキが無いものだから、発信出力で3グループに分けました
発信出力の大きなものはアクティビティーが高いのではないかと思っています。(違ってたらスマン)
実装に使ったのはそれの中間的なのを選びました、理由は有りません。
この6ポールで構成したラダー型クリスタルフィルターですが、回路図のとおり入出力のところだけパラっています「Y1とY7」。
まずは、この回路の状態でNano-VNAで測ったのが次の画像です。
スパン10Kです、縦は10dBです
約5dBの損失です。
この簡易な構成ではフラットにはならないですね。
これでもSSBには使えると思います。
Y1とY7が無いと、肩の部分がガクガクで、どうにも使う気にならんのです、それで何気にクリスタルをパラってみたらこんな特性になりました。
そう、その時はこれで満足してたので気にせず基板にしました。
不思議なことに、この回路でテストした時には帯域内はもっとフラットに近かった気がするのと、通過ロスも5dBではなくて10dBくらいあり、そのつもりで考えていました。
ところが今回作った基板に実装し測ってみたら、この画像のごとくロスは減ってるし波打ってるし・・・
ただ、計測前にNano-VNAを最新のファームウェアに上げたんです、以前よりも精度が上がった気もするし、機能も増えていて改良されてるんだなって思いました
もしかすると、精度向上により荒が目立つのかもしれません。
ということは高価な測定器で測ると、使い物にならんくらいに酷いのかもしれず、やや不安です。
結局、この6ポールのラダー型フィルターは使う気にならなくなり、基板を眺めながら改善できないものかと試行錯誤が始まりました。
基板のパターンを最小限カットしたりしてアレンジし7ポールにし、最終的には8ポールになりました。
それぞれ画像に取ったので様子を載せておきます。
入出力には追加のクリスタルをパラっていません。
右肩(周波数が高い方)のダレ感があります。
7ポール構成ですが、入力側だけクリスタルをパラってみました。
少しですがダレ感が改善されました。
これは8ポールです
追加のクリスタルは付けず完全ノーマルな8ポールです
やはり右肩の部分がダレますね。
これは、8ポールに対して小細工をしてみました。
最初は基板の裏側にクリスタルをパラに取り付けようかと思っていたのですが、別の方法でこうなりました。
もう、これで良しとします。
6ポールから始めて結局8ポールになりました、良くも悪くも基板には8個のクリスタルが並んでいたので、ギリギリですがセーフかな。
最終的に、何をしたかというと次の回路のとおり入力側をアレンジしました。回路図を見てご判断ください。
C66のところを82pFにしています、最初は50pFくらいかと予想していたけど47PFでは足りず、100pFだと過剰となり、手持ちの中から82pFとしました。
これで右肩のダレが改善されました、インピーダンス等を変えてもここの特性が悪化しない事を確認しています。
一方、出力側は以前のままです、こちらも変更してみましたが改善は1ミリも無かったので元のままです。
この方法は6ポールの時に思い付けば、スキルアップのためにはもっと良かったのですが、時間があるときにでも追試することとします。
最終的に8ポールにして思うのは、ラダー型とはいっても、今回のような簡易型では無くて、もっと追い込めるタイプのもあるので次回はそうしたいと思います、
それと上の画像を見て頂くと分かると思いますが、シェープファクターが改善されています、当然ですがこのことを考えると最低でも8ポールは必要かなって思いました。
ラダー型フィルターで躓いてしまい、マジで基板を新規で頼もうかと思っていました。
せっかくの基板も修正だらけになると気持ちが萎えてしまいます、今回は可能な限り修正を目立たないようにし我慢しなくちゃ、贅沢は敵だ。
実はIFアンプのところも気に入らないことが有り、渋々このまま続けるつもりですが、もしかしたら完全修正済みの基板に作り替えるかもしれません。
この基板の残りはマイクアンプ・1496のミキサー部・IFアンプ部が残っていますが、一気に部品を付けて動作テストする予定です。
本日はラダー型クリスタルフィルターの件で一休みします。
4月19日 追記 残りの部品を付けてみた
あれこれ部品を付けている時に、多少ですが定数の変更をしたので、とりあえず修正後の最新回路図を載せておきます こちらからダウンロードしてみてください。
このユニットの実装状態はこんな感じです
なぜこの基板に復調部も含めていないのか?
それは、IF出力のレベルが未知数なんですよ、だからAGC回路もそうなんですが、どんな構成がいいのか分からなくて、まずはこのユニットのIF出力を調べてから考えようかなって思っています。
とりあえず、このユニットのキモをすこしだけ説明しておきます。
NJM1496Dの使い方がキモになると思います
受信時は1stミキサーとして働きます、送信時はこれが変調回路となります。ここのとこだけ抜き出すとこんな感じです。
見えているのはRFアンプと1496とミキサー後のバッファです
電源関連もありますけど、送受信時の切り替えで邪魔になると信号系をDTC114でミュートしています。
DTC114はデジトラです、本来の回路記号は違うのですがパッとするシンボルが無かったのでNPNのトランジスタ用シンボルで代用しています。
バッファの2SK439は2SK241と同等品です、ソース側にDTC114を入れているのはCWの送信時に、ここをキーイング回路にしようと思っているからです。
昔の経験でクリスタルフィルターの前でキーイングした方が送信の音が良かったように記憶しています。
それと、マイクアンプの事を少しだけ説明しておきます。回路は次の通りです。
1496を変調に使う場合、ほとんど大きなAF信号は必要ないのですが、最大200mVppくらい突っ込めるようにしています、実際は50mVppから100mVppの範囲にとどめた方がいいのかもしれません、そのためにVRを入れています。
3石も使ってゴージャスな回路になってしまいました、ここはコンデンサーマイクからの出力を直接つないでも結構使えることは確認済みです。
3石ですが、回路全体での利得は約10dBです。
サレンキー型LPFで2.8KHzあたりから上は減衰するようにしています、シェープファクターも決していいわけでは無いので気休め程度にLPFを入れています。
1496の入力インピーダンスを約200Ωで設計したので、これを歪なくドライブするためにこんな大げさなものになってしまいました。必要な努力なのか無駄なことなのかは分かりません。
もし、参考にする人がいれば2SK30のとこが気になります(持っている人は限られていると思うので)、他のFETを手持ちの中から試してみましたが全てダメでした。
理由はIdssの関係だと思います、使った2SK30AはOランクで0.6から1.4mAのタイプです
Idssが多いものは使えないのでご用心ください。
このマイクアンプは150mV入力まで歪なく使えます、その時の最大出力は負荷が200Ωで600mV程度です、180mVくらいから歪が目立ち始めます
歪むといっても奇麗にソフトクリップしているので、コンプレッサーのかけすぎ程度に聞こえると思います。
コンデンサーマイクの出力が5mVとしたらマイクアンプの出力は15mVから20mV程度となります。
えーと、プリミックス型のローカル発振回路を作って4BAND化とします、BFOは今のところ12.8MHzのクリスタルを使う予定です。
で、このユニットの実働テストをしようと思って、何か発振器があるといいなと思い、とりあえず手持ちのDDSで試そうと思ったら、ここで躓いてしまいました
DDS用のクロックが発振しないのです。
25MHzのクリスタルで5次オーバートーンの125MHzを発振させてAD9850に入れようと目論んでいるのに、そのクリスタルがハズレのようで発信しません。
発振回路を少しアレンジし無理やり発振させてみたら6次とか7次あたりが出てきてるみたいで125MHzが出せません。
それで別のメーカーのクリスタルをネットで注文したところなので、それが届いたら再度試してみようと思います。
とにかく、プリミックス用の発振回路にDDSを使うつもりなので、これが上手く行かないと進めないのです。
AD9850に元々使われていたクロックはC/Nがすごく悪いみたいなので、取り外して外部から入れてやろうと思ったのです。
どうせいつかは通る道なので、それが今だったということです
しかし、問題は結局アナログVFOを使うつもりで始めましたけど、考えるほどにめんどくさくてDDSだけで済ませようかと思い始めています。
では、DDSの件が解決するまで、しばらくお休みします。
2024年4月28日 ちょっと追記
そういえば何をどうしたいのか明確にしていないから遅ればせながらブロックダイアグラムを載せておこう。
これ自体、まだ悶々としている部分が多くて確定では無いけど、だいたいこんな感じで作ろうと思う。
この図のミキサーからミキサーまでの回路を送受信で共有することで簡易化を図ったつもりなんだけど、実はこれが足を引っ張って、そこが簡易になったら他が複雑化するということで本末転倒な状況に陥ってしまったのが本音。
「モノバンドでしかもSSBだけならもっと簡単なんだけどね」
受信時の1stミキサーは送信では変調に使い、2ndミキサーは受信時は復調で送信時は普通にミキサーとするために、ローカル発振部とBFOの信号を送受で入れ替える必要がある。
現状は次の通り
解決できていなくて、個別にテストしながら少しずつは進めてはいるが、気持ち的に以下の件で悩んでいる。
- Main Unit_BのAFアンプ段は簡易に済ませていいのか、それとも気の利いたLPFを装備するべきなのか。
- AGCアンプはIFの最終から取るか、復調後のAFから取るか、これも思案中。
- プリミックスで構成するローカル発振部は、いっそのことDDS一発でもいいのかな、そしてアナログVFOは止めにするのもありか。
- BFOはクリスタル発振を予定しているが、DDSで作り出す方が確実かもしれないけどどうなん?
- ローカルとBFOの入替のためにダイオードスイッチによる方法を検討中だけどリレーの方が良いかもしれない。ただしリレーはデータトートを見たらアイソレーションが40dBくらいしかないので絶対的有利とも今は思えない、しかもリレーにしたらCWでのフルブレークインは諦める必要がある、理由はガチャガチャと切替の音が煩いから。
考え出したらキリがないほど問題は山積みでどうしたものやら。
話しは変わって前回DDS用に125MHzが発振しないと書いてた件、その後、別のクリスタルが届いたので付け替えたら簡単に発振しました。
これでローカル発振部の実験に進めそうなので後日あらためて追記しようと思います。
このつづきはこちら Main_Unit_A調整編 先ずは、このユニットを使えるように調整します。
コメント