ストレートラジオを作ってみます、以前に実験したFET検波回路に高周波増幅段と低周波増幅段を追加するだけです。
そういえば高1ストレートラジオって初めて作るよ、ラジオ制作の入門的な回路なんだけどね。
今まで実験した回路の寄せ集めですな 一部強引な感じのところもあるけど気にせんように願います。(回路図をクリックするとポップアップで大きく表示されるよ)
点線で囲った同調回路とボリュームは基板から外付けにしようと思う。実はなんも考えずに基板を注文したんよ、ボリュームを実装すると、その型番に限定されるし、同調回路に至ってはどんな部品を使うのかさえ考えていない、でも基板だけ用意しとこうかなと思って先走ったわけ。
先走った基板には同調回路は搭載していません、汎用性を考えてAF段だけ部品を付けて今後のラジオ実験用AFアンプとして使ったり、あるいは同調回路をあれこれ試すにも部品サイズが固定的ではないため同一基板上にまとめる気が無かったのです。
ということで実験内容を元に一気に書き上げてガーバーファイルにし中華PCB屋さんにちゃっちゃとオーダーしたのでした。
部品を実装したのがこの画像ですが全くラジオに見えませんな
ここに同調回路・音量調整用ボリューム・スピーカー・電源(乾電池)を繋げば立派な高周波増幅回路1段+FET検波+AFアンプ(スピーカーが鳴らせる)付き高1ストレートラジオになります。
その様子は以下の画像の通りです。
実験中しばらく鳴らしていて強い信号を受信すると同調点で音がかなり歪むことに気づきました、調べたら検波段の動作点が悪いようでした。
最初Q2のドレイン抵抗R4を15kΩにしていたのですが波形を見ながら試行錯誤した結果5kから6kくらいの間が良さそうだったので5.6kΩにしました。
高周波増幅段を追加したことで過大入力になりやすいのかもしれませんが将来は何かしら工夫が必要かもって思ってます。
このへんの動作状況を整理して考えてみると、一度は止めたトランジスタ検波も追い込んだらいい結果が出るのかもしないなぁと思い始めました。
アンテナを繋がないで鳴らしてますが、今のまま外部アンテナを繋ぐと選択度が悪いのと過大入力で歪むので、どうまとめていくか思案中です。
同調回路をあれこれ作って実験するのには最適なんですけどね・・・
ここまで作ってとりあえず保留です。
コイルのことだけ追記しとこうかな
身近にあるホルマル線でちょっと実験してみました、バーアンテナをいろいろ買うのも有りだけど面白みがないので変なものが楽しいのではないか・・・
とりあえず5種類ほど
1ミリのホルマル線の10m巻きを買った時の残りです、直径は8センチくらいでこのまま測ったら156μHありました。
この形状のまま使います。
0.26ミリのホルマル線でこれも10m巻きを買った残り物で巻きました、49T巻いた状態で215μHとなりました。
5センチくらいの紙の筒で形を整えるのにいったん巻いたものを束ねてます。
サンプル2の形にする前に、こんな風にコイルらしく巻いてみました、70Tで230μHくらいあります。直径は5センチくらいです。
0.26ミリの線なのでこの幅で収まりますが1ミリだと幅がすごいことになりそうな気がしました。
CD等50枚入りケースを使って0.26ミリを巻いてます、これは25Tだったと思います。156μHあります、見た感じ期待できます。
これは昔ながらのインダクターで150μHです。直径が6ミリで縦8ミリ程度のモノです。
これは昔No88コイルってのがあったけどそれと似たようなものです。
この5種類の中でいちばん感度が良かったのはサンプル1の1ミリのホルマル線ガラ巻です。
つづいてサンプル3のコイルです。
すごく期待したサンプル4は期待外れも甚だしくガッカリしました。
微妙なのがサンプル2です、実はもう少し大きく(7cmくらいの直径)巻いた実験もしたのですが、それはいい手応えだったのですがねぇ・・・
サンプル5は当然の結果です、アンテナが必要でした。
子供の頃にはわからなかったけど、1つずつ実験してみるといろんなことが解ってきました。興味深いのはサンプル3とサンプル2です、サンプル3は他の実験から期待していなかったけど意外にも感度は悪くないので(いい方かも)す、そしてこの形状で230μHですが紙の筒から外して束ねたら450μHになりました、そのため70回巻きから49回まで減らして215μHにしましたが感度がとても悪くなり驚きました。
CDケースに巻いたサンプル4は最初42回巻いてみたら容量が多すぎて25回まで減らしました。でもどっちも繋いで鳴らしてみたら、選択度は悪いし感度も悪いという状態でした。
いちばん感度と選択度のバランスが良かったのはサンプル1です。
大局的なサンプル5のインダクターは内心将来性を感じています、感度は悪いですが2バンドにして短波も聞けるようにするときは外部アンテナを繋ぐようにするから、中波・短波の感度バランスから判断すると捨てきれない手法です。
これらの実験から推測したことは選択度はQが高い方がいい、感度は空間にしめる表面積が関係している、そしてこれらのバランスがいいと結果がいいのではないかと。
もちろん忘れてはならない並列に入ってるバリコンによっても性能が変化しますし、実際には他の回路が並列にぶら下がりますからさらに複雑になると考えられます。
蛇足ですが、トリオの並4コイルや2バンドコイル、その他の空芯ボビンに巻いたコイルなどいろいろ試しましたが見た目とは裏腹にコイルのQは低いようです、100もないと思います、せいぜい60から80くらいかな。サイズなりの性能って感じでリッツ線やハニカム巻がどれくらい貢献しているのかは全くわかりませんでした。特に並4コイルをお探しの方には申し訳ないですが、3センチ直径のアクリルパイプにホルマル線でも巻いてラグ端子をとりつければ同等のものが簡単に作れますからオークションなどでボッタクリに乗る必要はないですよ。
でっ このQっていうのが解っていそうで解らない もちろんワシは解らない
Qの計算式は (ω=2πf)
直列共振回路だと
Q=ωL/R
並列共振回路だと
Q=R/ωL
これが一般的な式なんですが多分勘違いを起こすのは、この式のRのことかな、インピーダンスやリアクタンスを合わせて学ばないと解けない問題です。※試験問題みたいにR=何kΩとしたときの・・・ みたいな前提は無いので
ダァーっと端折って、凡人のワシにも解り、できることは線の抵抗を減らすこと。
使用する線材の抵抗を小さくし損失を減らすには太い線を使う。少なくともこれがQを上げる方法の1つと考えられる。
次に性能の良いコイルを目標に巻き方を考えると、太い線で大きく隙間を空けて巻くのがいいのではないかと思うのだが試してみるしかないね。こりゃぁまた次回の課題だな
コイルについては先人がたくさんの形状を試みてるからネットで探せばたくさん見つかるはず。
バリコンはエアバリがやっぱりいいなと思った。昔のことだけど、妙に外れ感のつよいポリバリを引いたことがあった。今回はエアバリとポリバリの3種類ほど使って試したらエアバリが一番いい、そういえばバリコンにもQが書いてあってなんでやろって思ったけど構造の違いで最大Qってのがあるんだなってこの頃になって知った。
あれやこれやと実験を進めていたら、結局のところ同調回路をどうするかで仕上げの方向性が真逆になると思った。
もしコイルを大型化するなら、その特徴が美しく表現できるように仕上げたいし、小型を目指すならバーアンテナの小さいのを使って小さなケースに入れるし、どっちへ進むかは今日の時点では決めかねる。
結局、高1ストレートラジオで始めた実験なのに同調回路の実験になってしまい何だったんだろう。
あっ回路で少し気になっていることがあったので部品を変更して気がかりな点を排除しました。いま載せている冒頭の回路図は最終型で修正済みのモノです。変更したのはC14の10μFを電解から積層セラミックコンデンサのリードタイプにしました。前後にかかる電圧の都合で無極性の方が気にならないものですから。
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