atom330は規格としてはCPUの消費電力は8から9Wと書かれた記事をよく目にします
コンピュータとしてはCPUだけでは動きませんから現実性を考えると実働時の消費電力を計る必要があります。

好奇心も手伝ってatom330搭載のベアボーンキットを2種類買いました
1台は「ION 330シリーズ」でユニティから「VALORE ION 330」の名で出ている製品です
これはnvidiaのチップセットを搭載していてWindowsには適していますがUNIX系にはどうにもなりません。
このVALOREはIntelチップセット搭載の「VALORE S330」というのもあります、メモリーとHDDを標準で装備しているのにION 330より安いですがWindows利用の場合はグラフィック性能が非力です。

もう1台はIntelのチップセット搭載のなんだか胡散臭いモノです、こちらはICH7なので目的のLinuxが使えます。胡散臭さは的中していて商品の化粧箱と中身は違っていました。筐体は確かにそうなんですがマザーボードに搭載されている部品を見ると付属のマニュアルやドライバー類などとは異なるモノが使われています、私は買う前に蓋を開けてチップ名を確認したので付属品や箱に書かれていることなど気にもせず買いました。
ですがこの商品自体は未だにどこのメーカーなのか不明ですマザーボードのメーカーは型番からjetwayと思われます、名前が無いと呼びにくいのでNC91-F（マザーボードに書いてある）とします。

これら2台の消費電力を計測してみました
実はVALOREの方が作りも良くて面白そうだったのでWindowsXPをインストールし電力の測定もこちらで行ったデーターを基に省エネ計画を開始しました。

VALOREは標準でDVDドライブ装備で1GBのメモリーとSSDを載せて21Wの消費電力です、DVDの再生中は25W程度です（起動時は最大で28W程度でした）。

NC91-Fはもっと少ないと思っていましたが実測してビックリ、なんと31Wも食ってます
Intel945GC+ICH7は大飯食いだと知りました、CPUよりも電気を食うなんてなんてこった
この31Wと言うのは1GBメモリー+SSD+HDDを搭載した状態ですピークは38Wほど消費します。

※使用したSSDはSUPER-TALENTの128GB、HDDはシーゲートのST9500420ASGで2.5インチ/500GB/7200rpmです。

省エネについて言えば最初に計ったVALOREを基に考えていましたが、残念ながら実際にLinuxServerに仕上げたNC91-Fは10Wも多い31Wなので省エネ・サーバーとは思えなくなりました（今までのサーバーよりは省エネですけど・・・）

LinuxServerとして「VALORE S330」を買わなかったのは行ったお店に在庫が無かったのとサーバーとしては無用なDVDドライブが搭載されていること、それから付属の160GBのHDDが無駄になるからです。これらが無駄にならない人は選択肢としては良いと思います。

さて、NC91-Fに搭載のLANチップはrealtekのRTL8168C/8111Cです、幸いなことにオンボードですがPCI-E接続とjetwayのサイトに書かれています、PCI接続だとGbitの帯域を有効に使えないので気になっていたところです。
CentOS5.2をインストールすると自動で認識してくれましたがCentOS5.2付属のLANドライバーでは動作しなかったのでrealtekのサイトからLinux用ドライバーをDLしてインストールしました。
最近リリースされたver8.013.00は動作良好です、1ヶ月前頃にDLした時には8.012.00だったのですがこれより転送速度が速いです。

全体的にCPUの処理能力、ディスク関連、LANチップなどを条件に考えるとatom330を使った製品はバランスが取れているほうだと思います、それにしても「VALORE ION 330」は省エネで表示能力も高くWindowsXPがこれほど快適に使えるとは驚きました。

省エネLinuxServerを目的に試行錯誤してみましたが、意外な発見ができて良かったです。

written by boss