9 月 02

この6V6シングルアンプも40年前に作ったものです

今までは極ありふれた構成でした
初段に6SJ7を使い6V6は自己バイアスで動かし整流管は5AR4の構成でした。

ときおり いい音で鳴るんですよ いつもではない理由は気持ちとか気候のせいかな?

ひっくり返して回路図でも記録しとこうかと思い、あれこれ測定しながら定数と動作点を確認していたら唖然としました
なんと6V6は300V近い電圧で64mAも流していました
しかもOPTの配線を見ていたら、なんと4Ωのところから出力してあり、ここに8Ωのスピーカーを繋いでいたのかぁ・・・・うっ

でもいい音するんだよなー

当時は4Ωのスピーカーも一時期使っていたことを思い出しました。

電圧を下げるのに5AR4から5U4に変更し、ついでに6SJ7の動作点も変更したりして聴いてみたら
残念なことに、あの音はしなくなりました
この時点では6V6のカソード抵抗はまだ変更していません(部品を買い出しに行くのが面倒なので)

6SJ7の動作点をアレコレ変更して聴いてみると、どうやら動作点で音が随分と変わる事が解りました
しかも、ボケ気味でどうも調子が悪そうです。

とりあえず6SJ7ってAmazonでも売ってるんですね驚きました(ほんと何でも売ってるね高いけど)

先を考えると、今更こんな球を買う気にはなりません
6V6のカソード抵抗も買いたくないのに
ホンネを言うとカソード抵抗も2本だけ買えばいいのですが、手持ちの6V6を差し替えてみたら個体差が結構あるみたいで
そんなことを考えると気に入った動作点とするにはかなりの本数の抵抗を買ってくる必要があり、これも気が乗らないと感じていました。

配線を見て書き出した手書きのメモです、こんな感じのありふれた回路です

6sj7-6v6シングルアンプ

6sj7-6v6シングルアンプ

ここに書いてる45mAとか44.4mAは計画中の予定動作点での電流です。

とにかく6SJ7は廃止し、シンプルな構成で6V6シングルアンプの音を楽しむには
初段をトランジスタとし、6V6は定電流回路とすることにしました
これだと球は6V6だけとなり、銘柄違いの音の違いも確かめやすく動作点も安定するので気になってることは解決すると思います。

完成した回路図はこれです

6V6ハイブリッド・シングルアンプ

6V6ハイブリッド・シングルアンプ

入力に使っているVRも40年前に買ったアルプスのオーディオ用2連ボリュームです、50KΩのVRが欲しかったのですが結構高いので今回は手持ちのでよしとします。
このVRを入れるかどうか決めかねていたので基板には470KΩ(R1)を搭載しています。

この初段の部分は150V程度で動かす予定だったので、それに合わせた抵抗値としています。(200Vでも燃えたりはしませんけどね)

2SK170GRと2SC2752Lの組合せですが、この2つで1つのトランジスタと思って頂ければOKです
2SC2752Lは2SK117GRの耐圧を上げるためだけに存在しますので400-500V耐圧程度のトランジスタなら何でもいいように思います、2SC2752LのベースはZDで固定していますのでロス分を引いた5.5Vがエミッタに出力されて2SK170GRのドレイン電圧となります
ここは電圧を上げても意味が無いので、この程度の電圧でOKです。

R6の33KΩが2SK170GRのドレイン抵抗として働きます
2SK170GR(Idssの実測値6.2mA)を単体で動作点を調べるのにバラックで計測しソース側の抵抗が回路図の定数で1.4mAでした
R3を470Ωにしたら0.5mAしか流れなかったので220Ωにしました、この時のドレイン電圧は5V以上にあげてみても電流に変化は無かったので5-6Vくらいを目処に設計すればいいのだろうと思いました。

ちなみに2SC2752Lを入れずに2SK170GRだけでも6V6を結構ドライブできるのは計測していて感じましたが
6V6のバイアスが-13Vとすると26Vpp振れたらいいので、興味ある人は試してみるのも良いかもしれません
僕は、今後作る球のアンプは、終段だけを球にしてドライバーとか初段とかは、今回の回路構成で作るつもりなので、その実験も含めて作業をしました。

回路図の点線で囲った部分はL・Rの2ch分を1枚のユニバーサル基板にまとめて作りました(これも、そのうち基板を作ろうと思います)、下の画像のようになりました。

2SK170と2SC2752の初段 2ch分

2SK170と2SC2752の初段 2ch分

R5の100KΩ/2Wは熱くなってもいいよに基板から浮かしています。

終段の球に合わせてR5の100KΩとR6の33KΩを変更すれば殆どのシングルアンプに対応できると考えています、
それと電源部のFETを使ったリップルフィルターは、すっかり定番となり、今回のアンプでも2つ載せていたチョークトランスは不要になりました。

6V6のカソード側はLM317を使った定電流回路としています、これもメーカーによって1.2V・1.25V・1.3Vと色々あるようで今回初めて知りました、全て1.25Vだと思っていたので・・・
今回使ったのは1.3Vと書かれていたのを買いました、これを基に45mAを目標とすると約28Ωってことです(1.3/0.045=28.888)
組立後に計測したら1.3Vではなく1.25Vでした、いったいなんのことやこれ

この45mAっていうのも、スクリーン(SG)の電流も合わさっていると思うのですが実測していません手間なので・・・でへ
6V6の規格表を見るとプレート電圧250Vで45mAと書かれていたので、それを目指してみただけの話しです。

6V6はUL接続しています、3結は以前試したけど好きになれなかったのでULです、しかもH-5SはUL接続用の端子があるので素直に従います。

回路図を見て頂くと分かるのですがシリコンで整流後の電圧が高いです2SK2662のリップルフィルターでもっとドロップさせてもいいのですが、気が変わって300V程度で動作させる日が来るかもしれないので、手持ちにあった300Ω7Wのホーロー抵抗(R12)を入れて電圧を調整しています。

全体的に球が3本減って見た目もシンプルなので、いい結果がでたら、そのうちに 今(300×200ミリ)より少し小さめなアルミ弁当箱でも買ってきて組みなおそうと思います。

さて、配線ミスが無い事を確認したら鳴らしてみます、簡単に各部の電圧を計測したので回路図に記してます。

おー いいなぁ これこれ 6V6のこの音が聴きたかったんだぁ 好きだなこれ
太い感じの音です、低域から高音までいい感じの鳴り方をしてくれます。

NFBにとりあえず余ってた3KΩを入れてますけど、無帰還にすると、個人的にはもっと好きです、なにかしら あれは歪みなのかなサックスや弦楽器の音が良い感じに響くんです
だけど利得が高すぎたというか2SK30Aより2SK170は感度が良いみたいで使いずらいのでNFBで調整し見ようと思います、最終的にはオシロで計測しNFB量と位相補正のコンデンサを抱かせるつもりです。

3結にしたり、特に6CA7の3結など、音の線が細く繊細さを感じますが嫌いなんです それ

6SJ7に振り回されたけど、やめてよかった
FET(2SK30Aとか2SK117とか2SK170とか)の初段は、癖がなくていいですね
素直に終段の球の味が引き出せていると感じます。

boss

written by boss

8 月 27

今回の改造で6B4Gシングルアンプはひとまず完了とします(そのつもりです)

些細な事を気にして先に進めないのが悪い癖です

変更したのは6B4Gのフィラメント部分の配線です
今まではハムバランサの代わりに27Ωの抵抗を入れていました
これは12Ωくらいのほうがベストな気がしますけど違いを試すのも面倒すぎます

実は気になる原因を排除しようと思い抵抗を無くしました

つまり、こうなったわけですね、部分的に書き出した回路図です

6B4Gフィラメント部の配線

6B4Gフィラメント部の配線

バイアスも再調整し-58.5Vから-53.5Vとなりました
プレート電流は以前と同様に48mAです

今まで、こうしなかったのは古い言い伝えを守ろうとしていたからにすぎません
これでもスピーカーからはハムなんて一切聞こえてきません。

「直熱管はフィラメント中点から接地するのが一般的な使い方」 ←これ聞いたことありますよね

こんな呪文を信じて意味不明なままでしたが、馬鹿らしくなって好きにさせてもらう事にしました。

古いオーディオ雑誌を読んでも正しく説明された記事を見たことはありません

なぜ中点なのか?
それに中点からの配線は出ていないし
ハムバランサー入れてるけど真ん中で最良点となることもないし

悶々と考えていると、だからどうした それがどうした ってことになりました。

最近ようやくこの事を分かりやすく説明している記事をネットで見つけて長年の疑問が解消されました
それによると
フィラメントの中点(現実は仮想中点となります)をアースするのは、フィラメントの各点で電位が異なるのを最小限とするためと寿命にも影響するらしいことが解りました。

つまり中点ではなく僕のように片側をアースすると、単純に言ってこっちとあっちでは6.3Vの電位差がありますから、プレートから電流が流れてくるとしたら電位の低い方へ流れ込もうとするだろうと予想はできます
当然、この状態は寿命にも悪影響を与える可能性は十分考えられます。

完全に中点ならバランスはいいのでしょうがね

どっちに転んでも各点での電位が異なる事実に変わりがないため、気休め程度に考える事にしました
それに寿命と言う事ならメタル管なんて構造上もっと最悪ですから気にするのがアホらしくなりました。

これで、配線もすっきりしたしOKとします。

boss

written by boss

8 月 12

6B4Gシングルアンプを凝りもせず改造しました。

悶々としたまま無視するわけに行かなくて
気になっていた自分なりの課題を片付けるために今回は思い切った改造となりました。

正直 音なんてその時の気分や気候でも違って聴こえるから改造の意味なんてあるのかな?・・・
しかも肝心な入力ソースとしてまともなものを持っていないアホらしさもあって
自問自答と闘いながら作業を進めました。

設計目標(課題)は大きく分けて4つです

1. 電源部の見直し
2. 入力インピーダンスを上げたい 150Ω→30KΩから50KΩを目指す
3. ダンピングファクターを高める
4. 計測して実際の性能を確認したい

夫々の補足説明をしておきます

1.の電源の見直しの件

パワーMOS FETでリップルフィルターを作りました(図1A)

パワーMOS FET リップルフィルター

パワーMOS FET リップルフィルター

このリップルフィルターは性能が良いのでチョークトランスは不要になりますが、取り外すと見た目がブサイクなので残しました
ここはチョークトランスの代わりに150から200Ω程度の抵抗で十分だと思います。

図1Bは失敗作です、最初は部品数を減らして気にせずスイッチを入れたら、あっけなくFETが壊れました。
ゲートとドレインがショートしてしまいました、おそらく発振し壊れたのでしょう、手抜きはダメね。

ゲートに抵抗ないから壊れました

ゲートに発振止めの抵抗ないから壊れました

ついでに全体の消費電力も減らしたかったので整流管(5U4GB)を止めてシリコンダイオードの整流回路にしました、
このことで整流後の直流電圧が整流管よりも上昇しますがFETを使ったリップルフィルターは出力電圧の調整は比較的簡単なので問題ありません。
ただし、シリコンダイオードで整流すると電源トランスから取り出せる容量が整流管の時より低下するのでトランスに余裕が無い時は要注意です。

2.の入力インピーダンスの件

40年前に、このトランス(タムラの600Ω:10KΩでTKS-2/写真1)を使いたいだけの理由で設計していたのですが、先日作ったUSB-DACの出力が25KΩ以上の負荷を想定しているため取り外すことにしました。

TKS-2 600Ω:10KΩのトランス

写真1 タムラのトランスTKS-2 600Ω:10KΩ

サイズの比較用にタバコと一緒に撮ってます、当時は中古で600Ω:50kΩを探していたのですが見つからずこれを買って帰りました。

3.のダンピングファクタ(DF)の件

どうやら手持ちのスピーカーは低域をいい感じで駆動するにはDFを高くする必要があるみたいです
つまりDFを確保するために無帰還のアンプから負帰還(NFB)を使ったアンプへの改造となります。

2.と3.の関係について

2と3の件は絡んでいて、入力インピーダンスを上げるにはトランスを外して初段の76に突っ込めばいいだけの事ですが
それすると、このアンプは全体的に利得が足りません、76と6B4Gはどちらも感度が悪く利得の低い球ですから
それとDFを上げる方法としてNFBをかける為にも増幅段を追加することにしました。
今更、入手が難しい球を使うのは止めてFETのアンプを76の前に入れる事にしました

全体の構成が纏まってきたところで主な改造点をパート毎に説明すると・・・

  • 初段のアンプ部

今回、初段となるFETは2SK30Aで、バラックでテストし動作電圧と抵抗値を計測しながら決定しました。

※このテストのために1.25Vから35Vくらいまで可変できて電圧・電流表示できる電源を作る羽目になりました(写真2)。

安定化電源1.25V-33V

写真2 電源1.25V-33V

図2の回路で利得は約24dBとれました、これを基本形として実装用にアレンジしました
ソース抵抗のところにはバイパスコンデンサを入れません、入れると利得が取れすぎるので今回は無しとします。

図2 2SK30A 動作点考察中

図2 2SK30A 動作点考察中

  • 初段アンプ用の電源

初段FETアンプへの電源は300Vラインから30Vへ簡易な変圧回路で賄いました、高圧部のリップルフィルターを通した後に、似たような回路で降圧です。
図3の通りツェナーダイオード(ZD)を使って30V出力を得ています

初段用電源部

図3 初段用電源部

手持ちの都合で3本のZDとシリコンダイオードを組み合わせて調整しています。
120KΩの抵抗を入れていますが200KΩでも上手く行くと思います
僕はZDに2から3mAくらいは流したかったので120KΩとしています
ZDの型番が不明で機能するのに最低電流が分らなくて、試すのも面倒だから経験則で決めました。

図2の初段と図3の電源部はシャーシ内に実装しやすいようにユニバーサル基板に組んで適当な位置に配置し配線しています。
写真3のようにFETアンプ部2個と電源部1個です。

ユニバーサル基板に部分別に作る

写真3 ユニバーサル基板に部分別に作る

あっそれと、今回はVRを入れました
鉄のフレームに穴を開けてアルプスの2連VRを取り付けました。

最終型の回路図を載せときます
今回は珍しく回路図を書いてみました、ですが改造後に思い出しながら書いたものなので少し違うのは分っているのですがポイントは押さえているので良しとします。

6B4Gシングルアンプ改 ハイブリッド回路図   図4

6B4Gシングルアンプ改 ハイブリッド回路図   図4

上記の回路図は現時点での最終回路図です、記載している電圧等は実測した値です。

回路の説明

初段2SK30Aと次段76は直結しています
つまり2SK30Aのドレイン電圧が76のグリッドバイアスとして働きます
76のグリッドには+15Vが印加された状態ですがカソード抵抗R4の働きで最終的には76のグリッドバイアスは-8Vから-10Vに落ち着きます。

76には約3mAほど流れているみたいです、電源部の立ち上がりを考慮して各部定数を決定したのですが、ごく短時間だけ76のグリッドは正バイアスされるため負担がかかってしまいますが、比較的短時間でバランス点に落ち着きますから心配しなくても良さそうです。

76と6B4Gのカップリングコンデンサは今まで0.1μFを使っていたのですが、インピーダンスを考慮して1.2μFにしました。

6B4Gのフィラメントは40年前に作った時のままでトランスの6.3Vと2.5Vのところを直列につないで8.8Vくらいとしブリッジで整流後に各チャンネル用にレギュレータをかましています

図5に片チャンネル分を載せときます

図5 フィラメント用レギュレータ片チャンネル分

図5 フィラメント用レギュレータ片チャンネル分

本来は電流ブースト用に三端子と組合わせるにはPNPトランジスタがベストなのですが、その時は手持ちが無かったのでNPNを使っていますから正しく動作する安定化回路にはなりません。
しかし負荷は1Aと一定なので安定化目的と言うよりはタダのフィルター程度にはなると思って、そのまま使っています。

周波数特性とクロストークについて

周波数特性を測ってみました、図6の通り意外に下から上まで伸びています、両チャンネル共に似たような特性だったので片チャンネル分だけ載せときます。

図6 周波数特性

図6 周波数特性

40KHzでー02dBなので十分な性能だと思います

この時に用いたオーディオ発信機はTRIOのAG-202Aなので仕様により20Hz以下は測定できません。

最悪のクロストークに絶句

周波数特性の測定をしていて入力を上げていくと何やらピーっと聞こえくるので
あれ OPTかチョークでも泣いてるのかな? マジでそう思いました
更に入力レベルを上げると片方のスピーカーから音が聞こえてきます ビックリしたなぁ
周波数特性を計測しながらクロストークも測ろうと思っていたのですが図る必要も無く最悪のクロストークです

このクロストークは更に驚いたことに周波数特性と全く同じカーブを描くので2度ビックリです
実測値で全体域に渡り-46dBでした
こうなると配線経路からの誘導とかではないですね。

原因を調べたら6B4Gのフィラメントへの電源回路構成が最大の原因で、2つ目は1つのブロックコンデンサでL・Rのデカップリングに使っていたのがまずかったみたいです。

コンデンサについてはブロックコンを取り外して普通のに交換すればいいのですが、フィラメント経由の件は発見と対策までに時間がかかりました。

6B4Gのフィラメントは直流点火するのにレギュレータを通して点火していますが、マイナス側が回路の都合で共通なため互いにドライブしあいこの状態でした。
ちょっとここだけ書き出すと図7の状態です

図7 6B4Gのフィラメント結線

図7 6B4Gのフィラメント結線

R8・R9の27Ωでアースしています、(元々は100ΩB型のVRでハムバランサとしていました)
40年前に作った時からハムは殆ど無いしVRも意味が無かったので今回はVRを取り外し固定抵抗にしました。

図4の回路図にあるC6・C7のコンデンサは元々無くて、今回クロストーク対策に追加したものです、この入れ方が一番効果的でした。
細かい事を言えばC6が効果絶大でC7は気持ち的な効き目です。

これで測定したところ最悪値は20Hzの65dB、最善値は10KHzの81dBとなりました、これでとりあえずは様子見とします。

レギュレータなどかませずに独立した回路にしとけば本来はベストなのだろうと反省しています、つまり40年前から呆れたクロストーク性能だったんだと気付きました。

まとめ

  • NFBについては実測で3.5dBほどかけています

最初は12dBほどかけていたのですが、鳴らしてみると音が気に入らなくて少なめにしました
それと、図4の回路図にはNFB用の抵抗R10と並列にコンデンサC9がありますが実際は入れてません
波形を観測しましたが押さえるほどのオーバーシュートは無く、極わずかなものだったので無理にコンデンサを抱かせるほどじゃないと判断しました。

  • 入力感度 0.7Vrms 出力4.3W (注1)
  • 残留ノイズ 0.1mV未満(実測で30μVrmsなのでデータが良すぎて信用していない)

スピーカーに耳を近づけても静かすぎてなんも聞こえません

注1).

ドライブに76を使っていますが6B4Gをドライブしきれない事が解りました、実測で76のプレート出力が123Vppを超えたあたりからクリップし始めます
6B4Gを約300Vで使うのにバイアスが深いため76では厳しいのかと思います
初段のFETと76が直結でなければ、それぞれの最適値に持ち込めると思いますが、直結のままの回路では互いの関係で76を有効利用できていないと思われます
今の僕の知識では76でこれ以上の出力を取り出す方法は思いつきません、せめて150Vppくらい取れたらいいのですが・・・

そのため最大出力4.3Wと言うのは、オシロで観測して全く波形がクリップしない時の出力です。

これで40年前に作った6B4Gシングルアンプはハイブリッドアンプとして生まれ変わりました。
フィラメントの直流点火は独立回路にするかもしれませんが、今のところ良い音で鳴ってるから完結とするつもりです。

後日 追記

76のカソード抵抗R4を8.2KΩから6KΩ、プレート抵抗R5を50KΩから30KΩに変更すると、期待する動作点になるような気がします
頭で考えてるだけですが、この変更で150Vp-pくらい取り出せるのでは・・・
抵抗の手持ちが無いのでそのうち試してみたいと思います。

2019年8月18日 追記

気になるので少し変更しました

実は測定中に気づいていたのですが改造に次ぐ改造で疲れていたので見なかったことにしようと思っていたのですが
やっぱ気になるので白状すると
初段のFETの歪みが、そもそもの問題点なんです

図4の定数では2SK30Aで76を適切にドライブしきれていないのです
かなり早い時点で歪み始めています

色々考えて図8のように変更しました

図8 6B4Gシングルアンプのドライブ回路

図8 6B4Gシングルアンプのドライブ回路

76のカソード抵抗を8.2KΩ → 10KΩ、プレート抵抗を50KΩから33KΩ
2SK30Aと76の接続に1KΩを通して接続しています(これは気休めなので効果は確認していません)

今回の変更で全体的にバランスが良くなりました
76がクリップし始める状態まで良好に余裕をもって2SK30Aでドライブできます。

直結でなければ簡単なのですが、直結により相互に影響しあうため、なかなか希望するような動作点に追い込めていません

手持ちに試すだけの部品が無いため限られた部品での試行錯誤なのでここらが精いっぱいです

図4の回路の時に、低域の出方が悪くなった印象だったのですが、それが改善されました。

boss

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6 月 13

WINGONEER TDA7498E 2×160W この中華デジタルアンプをケースに入れてみました。

フロントパネル

フロントパネル

リアパネルの様子

リアパネルの様子

僕は主にAmazon Echo Plusのライン出力を繋いで音楽を流しっぱなしで仕事してます。

YouTubeとかCDとかを聴くときはプレーヤーを持っていないのでWindowsPCのライン出力からデジアンに繋いで聴いてみました
これは、ゴミのような音ですね
使い物になるような音質ではありませんでした
Mac miniからだと、まあまあ使えますがWindowsPCはどれも音が悪くて嫌になります

同じApple製品でも手持ちのiPad(2017年モデル)とiPad mni4は音が悪くやっぱ気に入りませんが
iPod nano(手持ちの第3・第5・第7世代)とiPhoneSEと8Plusはなんとか使える気がします。

ほんとに入力ソースを持っていないので、手持ち品を手あたり次第に試した結果の印象です
とにかく、せめてCDプレーヤーでも買えばって感じですが、気が乗らないのです なんでだろー

スピーカーもパッとしないし、所詮は中華デジアンだし、いい結果なり期待したような音が聴けるなんてことは無い気がして

あれこれと思案した結果 USB-DACを買ってみました
これは秋月電子通商で売ってるキットのAKI.DAC-U2704 REV.Cを買いました
それと、改造用のパーツをネットで見つけたこちらで頒布して頂きました。

このキットを利用したUSB-DACを色々なものにつないで試したらMacだと少しレベル不足気味でWindowsだと音量レベルを2くらいまで絞らないと爆音になる事が解りました。

最初はこのUSB-DACもケースに入れる気が無かったのですが
その都度、線を差し替えたり、レベル調整にボリュームも必要になり、すべてをバラックのまま使っていましたが、さすがに面倒ですね。

諸々の事が重なり、ケースにまとめて放り込むことにしました
今回はデジアンの電源は前回までのトランス式は止めてスイッチング電源を使ってます
手持ちのをアレコレ試したらノイズが出ないのを2つ発見したので、今は19Vで6.7Aのを外付けで使ってます(もしかしたら気が変わって別の電源を作るかもしれないので、最初から内蔵させない計画です)

ケース・ツマミ・ロータリースイッチなどは40年前に買って使わずに保管していた物です
ロータリースイッチは4回路3接点なので、これを利用してUSB-DAC単体・USB-DAC+デジアン・デジアン単体の3通りで使えるように配線しています。

今回中華デジアンをケースに入れる際に、以前から気になっていたノイズについて調べたところ
アンプチップの放熱器から、かなりノイズの放射がある事が分ったので放熱器をアースに落とすために配線を追加しました
それと、このアンプはある程度過熱したらファンで冷却するようになっているのですが熱くなるほどパワーを出すことが無いのでファンは取り外しました。
更にローバスのコイル鳴きがあるような気がするのでエポキシで固めました。

こんな感じの中身です
inside-view

USB-DACは先程の部品を頒布して頂いた木村さんの記事を基にトランス式USB-DACとなっています。
この事については、こちらを参考にどうぞ、特にお勉強が足りていない人は必見です。
その記事にも載っていますが、僕は偶然にもそのトランスを40年前に入手しておもちゃ箱に入れてたので、それを利用しました。

基板をケースに取り付けるのに使うスペーサーはプラスチックでネジが切ってあるのを使っています
一般的に言う1点アースですが、DAC出力のRCAジャックとデジアンの入力用RCAジャックのところで行っていますので正確には4点アースです。
可能な限りアースループは作らないように配線を行っています。

最後にDACは光でも同軸でもなくUSBとしたのは、僕の持ち物としてはこれが一番汎用性が高いからです。

CDプレーヤー代わりに7年前のWindowsノートPCを使ってます、USB-DAC経由だとちゃんと使えますよ
パソコンを利用するとCD以外に音楽データやネット配信のものなど再生環境としては便利です
これで何となく中華デジアンで遊ぶのは卒業できそうな気がしてきました。

boss

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5 月 10

WINGONEER TDA7498E 2×160W この中華デジタルアンプのコンデンサを変えてみました。

40年ぶりにオーディオとやらをつつき回しているので、とにかく知識が古いので時代錯誤も甚だしいと思いますが
最近のを調べるのも面倒なので僕の古い知識から買ったのはWIMAのフィルムコンです。

mks-2シリーズでローバス側は63V耐圧 入力側は100V耐圧(63Vが無かったので・・・)

入力側
1μFのコンデンサが4つ使ってありますが実際のカップリングコンは2個です、下の写真でいうと C49とC10です

クリックすると大きく表示します。

クリックすると大きく表示します。

C12とC11は反転入力側のコンデンサでGNDに落としてあります
ここは4つとも同じものに交換しました、音に影響するのはC49とC10の方なんですけど、もののついでです。
耐圧の関係で少しWIMAのコンデンサが大きいため不細工に取り付けてます。

それからローバスフィルターのコンデンサがどれくらい音に影響するのかは不明ですが、6個だけ交換しました。
片チャンネル分は0.47μF、0.22μF×2ケです
「※データシートのサンプル回路図から判断すると8Ω負荷=047μF、6Ω負荷=0.68μF、4Ω負荷=1μFのようですから、交換される方は自分のスピーカーに合わせるといいかもしれません
インダクターは全ての状態で22μHとなっていますので交換は必要ありませんが
トロイダルコアへの巻きが弱いのでエポキシ等で固めた方が音的には有利だろうと思います。」

元々使ってあったコンデンサもフィルムコンだと思います、構造は積層型のようです
リードピッチは5ミリ仕様だったので、交換用に買ったWIMAのコンデンサも5ミリピッチのを選びました。
WIMAのこのシリーズも積層型だと思います
昔は積層の締まりが悪かったり、経年変化で割れたり、いろいろありましたけど最近はどうなんでしょ???

オリジナルの基板からそれぞれのコンデンサを取り外したのがコレです

コンデンサを取り外したところ

コンデンサを取り外したところ

取り外したコンデンサはコレです

元のコンデンサ

元のコンデンサ

WIMAのmks-2を取り付けた状態です。

WIMAのmks-2のコンデンサを取り付けたところ

WIMAのmks-2のコンデンサを取り付けたところ

部品代は送料込みで合計2,600円でした、在庫の都合で2店から買ったので送料だけで合計480円かかりました。
アンプ自体が約2,700円だったので複雑な心境です。

今回は、先にも書いた通り、他にもっと適したコンデンサがあるとは思いますが深追いは避けました
必要以上に執着するなら、最初からメーカー製のまともなのを買った方が気が楽ですからね

さて、試聴ですね
自分で作業したので思い込みが9割程度入っていると思って読み解いてください

低域がボンついてたのが解消されキレが良くなりました
高域の歪みが気にならなくなりました、特に高域が尖った感じだったのですが、それが無くなり柔らかくなった気がします。

ここまでくると電源部を真面目に作りたくなります
PCとの接続に光DACが欲しいとか
とにかく余計な事ばかり気になります。

boss

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