9 月
08
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意味ない比較
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「こんなに違うんですよ~(笑)」
ウサイン・ボルトが世界陸上で100mの世界新記録を出した翌朝のワイドショー。
ボルトのトップスピードのときの歩幅の足跡マークをスタジオの床に付け、その横で女子アナが自分の足を大きく一歩前に出して言った一言。
なんだそれ。
ボルトは196cm。身長も違えば、足の長さも違う。そして女子アナは陸上選手ではない。
はじめから比較対象になっていない。
しかも、走ってるときの歩幅と、その場で一歩踏み出した歩幅を比べてどうするんだ。最低でも走ってるときの自分の歩幅と比べなさいよ。
こんな具合に、それって比較になってなくない?っていう意味のない比較がよく目に付く。
先日、テレビで全国高等学校クイズ選手権の全国大会を見た。
地区大会を勝ち抜いてきただけあって偏差値の高い高校ばかり。
全国大会に出てくるような高校にはクイズ研究会があるのだろう。出題形式や超マイナーな知識を必要とする問題までしっかりおさえていた。
司会者から問題が出されるたび、
「この問題の東大生の正解率は2%」と補足が付く。
だいたいどの問題も東大生の正解率は一ケタ台。
しかし、ここにいる高校生の多くは、その問題を簡単に答えてしまうので、「スゴイじゃ~ん」となるのだ。
でもそれって比較になってなくない?
東大生だって知らないことはある。
しかも出題される問題は、超マイナーなものばかり。要するに知らなくても全く困らない、受験にも出ないような問題ばかり。答えられなくて当然だ。
かたや、年に1度の全国高等学校クイズ選手権で優勝するために日々クイズ研究会でクイズ問題に取り組む高校生たち。
この両者は、はじめから比較対象にはならない。
東大のクイズ研究会の正解率となれば話はべつだけど。
(東大にクイズ研究会があるかは知らないけど)
ウサインボルトと女子アナの比較にしても、高校生と東大生の比較にしても、意図していることはわかる。単純にスゴイということを伝えたいのだろう。
そんな比較をしなくてもスゴイのはみんなわかってるのに。
意味のない比較をされると、なんか冷めてしまうのは私だけ?