ぺるけ式ミニワッター,2 ミニワッターPart2
6 月 02

ぺるけ式ミニワッター
トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版 完成しました

ようやくケースに入れて概ね完成です、概ねっていうのは廃材などを使って配線したので
入力側のシールド線がなんとなく細くて気になってるからです。

このSEPPアンプの件については「ぺるけ」さんがとても詳しくデータと合わせて書かれていますので詳細はそちらをご覧いただくと良いです
なんせ、基本的に、その記事のまま作ってるから改めて説明の必要は無いと思います。

ここを、とにかくお読みください (クリックすると別窓で開きます)
http://www.op316.com/tubes/mw/mw-19v-p5.htm

ぺるけさんのと違うのは
ユニバーサル基板を使わず専用に基板を特注して用意したこと
電源部は簡易ではありますが正負両電源回路としトランスを使っていること
この2点ですね

片チャンネル分の回路図を載せておきます
電源トランスについて、回路図は手抜きで書いてますが、実際にはトライダルコアの電源トランスが1個で、12V/1Aの出力が2回路あります。
その12Vラインを左右のチャンネルで独立した回路としています。
19v-seppamp

ここで、ちょっと寄り道
僕はトロイダルトランスって良い物かと思っていたら、そうではなかった
手持ちのカットコアトランスと比べたらトロイダルトランスは予想以上にリーケージフラックスが多くて驚いた
しかも半波整流で使うと磁化してやがてショートするらしい(ほんまかいな それはいつ起きるんだ?)
なんであれ このケースに何か入れようって思い込みもあり それが今回のアンプなんですが
スペースの都合で好きも嫌いも無く、用意したトロイダル電源トランスを使います。

時を戻そう
両波倍電圧整流回路が原型でコンデンサーの中間点を0Vライン(グランド)とすることでプラスマイナスの両電源としています
12Vを整流した15.5V(負荷をかけた状態)ほどを三端子レギュレータで9.3Vにしています。
とにかくシリーズレギュレータだし、こんな整流回路なので効率が悪いのが欠点です。

ケースは40年以上前に買って保管しておいたものです、以前にデジタルアンプとトランス式USB/DACもこのケースに入れました
手持ちはこれで最後です
幅200ミリ 奥行160ミリ 高さ55ミリ 外寸です

下の画像が部品配置を考えている時です
部品配置を考える

熱的に厳しいだろうなと思いつつも今さらあとへは引けず
電源部の基板はこのあたりが都合がいいのです、ここだとパネルを外すと電圧が調整できるので・・・
放熱は筐体で行います、このケースは1.5ミリか2ミリくらい肉厚があるので丁度いい放熱器になりそうです。

基板やトランスの配置が決まったらリアパネルの加工です、これが一番嫌いなんだな、とにかくACインレットの加工が憂鬱です。
でもここも避けては通れないので一気に加工しました。
rear-panel

続いて仮配線をし全体を囲って過熱具合をチェックする事にしました。
ceb2-test

これ↑にパネルと上蓋を付けて1時間程度鳴らしてみました
んー やっぱ熱いぞ 熱気ムンムンですなこりゃ

それと もっと驚いたことに音が歪む アレ? なんで
バラックでテストした時は気付かなったけど・・・
でもね原因は分ってる あのコンデンサーだな 最初は行けるかと思ったんだけど、テストするたびに歪みが激しくなりました
秋月電子で買ったオーディオ用のフィルムコンなんですけどね
そこにはこんな事が書かれています
「Faithful Link社のフィルムコンデンサです。無誘導構造、自己修復性、小型を特長とします。ケースに入れエポキシで充填してあるため、耐湿性があります。特性がよく、ひずみも少ないのでオーディオ回路に最適です」
このフィルムコンが原因と思っていたので、カップリングコンデンサを使わない方へ入力線を切り替えて鳴らすと、全く歪むことなく、しかも音が良い
DCアンプだから万が一を考えるとコンデンサーは入れといた方が安心です
とりあえず、サイズが大きくて使いたくなかったんですがマイラーコンに替えてみるとOKです、ぺるけさんはこのマイラーコンを使われてますね。
画像を載せてサラシモノにしてみよう
黄色いのが歪もフィルムコン
黄色いのが問題のフィルムコンです、右端がマイラーコン、真ん中の黒いのはヒューズです。

Bass-Boostにも、これ使っているので、この黄色いのは全部外してwimaのフィルムコンに変更しました。

あれやこれやと作業を進め最終テストをするために仕上げています
最終テスト

やはり筐体内に熱がこもるので上蓋に通風孔を開けました6φのキリで34個の穴を開けてみました。
cooling

アンプ終段の放熱器の上に穴を開けてます、けっこう効果があるみたいで15度程度の温度低下がありました
テスターに付属のセンサーで温度を計測してみると(室温25℃)
スイッチを入れて音楽を鳴らしたまま2時間後に計測したところ、
終段のヒートシンクは74度
ドライバー(2SA1359)は69度
電源部整流用ダイオードは54度

それと、DCバランスの調整ですが、僕は冷間時(スイッチon30秒以内のデータ)に設定しました
事前にデータをとる必要はあります
先ずスイッチon直後の電圧を測り、ギンギンに熱くなった時のを測る
極限状態ではどうだか知りませんが僕の体調に合わせた室内温度を基準にした場合の話しですが
室温25℃で上記のテストでは最大プラス1.5mV変動しました。(通風孔無しの状態)

それで冷間時マイナス0.7mVに調整しておきました
するとギンギンに熱くなっている2時間後は約プラス0.7mVでした

その後、上蓋の通風孔を開けたので、現在は2時間後に0mVです
どちらのチャンネルも同様です。

炎天下の屋外使用は危険ですが、室内で過ごしやすい環境の中では問題ないと思います。
これ以上の深追いも計測も意味が無いのでここらで止めときます。

電源が正負両電源で、レギュレータの立ち上がりが正負で少し違うのだろうと思いますが
ポップアップ音はとても小さいです
それと、手持ちのアンプの中では、今回のが最も入力感度が低いです。

終段のアイドリングは全体が熱くなり回路が安定した状態では約138mAとなりました(左右の差は1mAくらい)。

総評
自作慣れしてるせいか、しかもPCB化したことでミスは起きにくく作りやすさだけが印象に残ってしまった
言わばバカチョンだなって思う
正直言って、これはキットの組立と同じで自作しましたとは口が裂けても言えないし言いたくない

1つ大事なことは、こうも簡単に作業を終える事が出来たのは「ぺるけ」さんの設計の良さと詳細な回路説明と選別品の頒布に尽きる
その事については感謝
今回はただの猿真似なので自作とは言わない代わりに 組立完了 とさせていただきます。

2021年6月8日 追記
いまのところ毎日このアンプで聞いてます
音は良いのかもしれませんが僕には音の良し悪しは相変わらず分かりません
まともな入力ソースが無いので判断基準すら無く、良いも悪いも語るところでもないのですが
自分の好みで無いのは分ります

悪(灰汁)が無いと言うか良すぎるのかな?
以前に作った、あの特性の悪い6SN7パラシンがやっぱ好きだな

今回のアンプは音を出してすぐに感じたのは
あー やっぱね トランジスタ音だな、しかも差動回路特有の音がする

両者の決定的違いは2次歪みなのかなと思ってみたり
ぺるけさんの回路は優等生過ぎるのかもしれない。

2021年7月11日 追記 最終仕上げで完成
本来ならあれこれ計測すべきなのでしょうが
耳で感じた結果のみで判断し必要があれば対処するという流れでやってます。

でっ 最終的に変更したのは電源部
ここの整流後の平滑コンデンサを1000μFから2200μFにしました、全部で4個を変更です
4400μF(基板裏付けにて仮対応、表の2200μFと裏付の2200μFってことです)でテストしたけど
最終的に2200μFとしました。
※1000μFだとフルパワー時に、電圧が変動している気がしました。

それと、入力周りの配線をシールド線を止めて、普通の線を軽くよじって配線しなおしました
基板等を一旦外したついでに、あっちもこっちも可能な限り、配線はよじってみました。

完成時の内部の写真をアップしときます

ぺるけ式ミニワッター19V版完成

ぺるけ式ミニワッター19V版完成

予告
ミニワッターpart2の12V単電源の回路と正負両電源「12V・15V・19V」に対応した基板も特注して手元に届いているので、仕事の合間に組み立てる予定です。

2021年12月追記
あれこれ試行錯誤して大幅に作り変えることになりました
最新の記事はこちらからご覧ください。

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written by boss