9 月 02

この6V6シングルアンプも40年前に作ったものです

今までは極ありふれた構成でした
初段に6SJ7を使い6V6は自己バイアスで動かし整流管は5AR4の構成でした。

ときおり いい音で鳴るんですよ いつもではない理由は気持ちとか気候のせいかな?

ひっくり返して回路図でも記録しとこうかと思い、あれこれ測定しながら定数と動作点を確認していたら唖然としました
なんと6V6は300V近い電圧で64mAも流していました
しかもOPTの配線を見ていたら、なんと4Ωのところから出力してあり、ここに8Ωのスピーカーを繋いでいたのかぁ・・・・うっ

でもいい音するんだよなー

当時は4Ωのスピーカーも一時期使っていたことを思い出しました。

電圧を下げるのに5AR4から5U4に変更し、ついでに6SJ7の動作点も変更したりして聴いてみたら
残念なことに、あの音はしなくなりました
この時点では6V6のカソード抵抗はまだ変更していません(部品を買い出しに行くのが面倒なので)

6SJ7の動作点をアレコレ変更して聴いてみると、どうやら動作点で音が随分と変わる事が解りました
しかも、ボケ気味でどうも調子が悪そうです。

とりあえず6SJ7ってAmazonでも売ってるんですね驚きました(ほんと何でも売ってるね高いけど)

先を考えると、今更こんな球を買う気にはなりません
6V6のカソード抵抗も買いたくないのに
ホンネを言うとカソード抵抗も2本だけ買えばいいのですが、手持ちの6V6を差し替えてみたら個体差が結構あるみたいで
そんなことを考えると気に入った動作点とするにはかなりの本数の抵抗を買ってくる必要があり、これも気が乗らないと感じていました。

配線を見て書き出した手書きのメモです、こんな感じのありふれた回路です

6sj7-6v6シングルアンプ

6sj7-6v6シングルアンプ

ここに書いてる45mAとか44.4mAは計画中の予定動作点での電流です。

とにかく6SJ7は廃止し、シンプルな構成で6V6シングルアンプの音を楽しむには
初段をトランジスタとし、6V6は定電流回路とすることにしました
これだと球は6V6だけとなり、銘柄違いの音の違いも確かめやすく動作点も安定するので気になってることは解決すると思います。

完成した回路図はこれです

6V6ハイブリッド・シングルアンプ

6V6ハイブリッド・シングルアンプ

入力に使っているVRも40年前に買ったアルプスのオーディオ用2連ボリュームです、50KΩのVRが欲しかったのですが結構高いので今回は手持ちのでよしとします。
このVRを入れるかどうか決めかねていたので基板には470KΩ(R1)を搭載しています。

この初段の部分は150V程度で動かす予定だったので、それに合わせた抵抗値としています。(200Vでも燃えたりはしませんけどね)

2SK170GRと2SC2752Lの組合せですが、この2つで1つのトランジスタと思って頂ければOKです
2SC2752Lは2SK117GRの耐圧を上げるためだけに存在しますので400-500V耐圧程度のトランジスタなら何でもいいように思います、2SC2752LのベースはZDで固定していますのでロス分を引いた5.5Vがエミッタに出力されて2SK170GRのドレイン電圧となります
ここは電圧を上げても意味が無いので、この程度の電圧でOKです。

R6の33KΩが2SK170GRのドレイン抵抗として働きます
2SK170GR(Idssの実測値6.2mA)を単体で動作点を調べるのにバラックで計測しソース側の抵抗が回路図の定数で1.4mAでした
R3を470Ωにしたら0.5mAしか流れなかったので220Ωにしました、この時のドレイン電圧は5V以上にあげてみても電流に変化は無かったので5-6Vくらいを目処に設計すればいいのだろうと思いました。

ちなみに2SC2752Lを入れずに2SK170GRだけでも6V6を結構ドライブできるのは計測していて感じましたが
6V6のバイアスが-13Vとすると26Vpp振れたらいいので、興味ある人は試してみるのも良いかもしれません
僕は、今後作る球のアンプは、終段だけを球にしてドライバーとか初段とかは、今回の回路構成で作るつもりなので、その実験も含めて作業をしました。

回路図の点線で囲った部分はL・Rの2ch分を1枚のユニバーサル基板にまとめて作りました(これも、そのうち基板を作ろうと思います)、下の画像のようになりました。

2SK170と2SC2752の初段 2ch分

2SK170と2SC2752の初段 2ch分

R5の100KΩ/2Wは熱くなってもいいよに基板から浮かしています。

終段の球に合わせてR5の100KΩとR6の33KΩを変更すれば殆どのシングルアンプに対応できると考えています、
それと電源部のFETを使ったリップルフィルターは、すっかり定番となり、今回のアンプでも2つ載せていたチョークトランスは不要になりました。

6V6のカソード側はLM317を使った定電流回路としています、これもメーカーによって1.2V・1.25V・1.3Vと色々あるようで今回初めて知りました、全て1.25Vだと思っていたので・・・
今回使ったのは1.3Vと書かれていたのを買いました、これを基に45mAを目標とすると約28Ωってことです(1.3/0.045=28.888)
組立後に計測したら1.3Vではなく1.25Vでした、いったいなんのことやこれ

この45mAっていうのも、スクリーン(SG)の電流も合わさっていると思うのですが実測していません手間なので・・・でへ
6V6の規格表を見るとプレート電圧250Vで45mAと書かれていたので、それを目指してみただけの話しです。

6V6はUL接続しています、3結は以前試したけど好きになれなかったのでULです、しかもH-5SはUL接続用の端子があるので素直に従います。

回路図を見て頂くと分かるのですがシリコンで整流後の電圧が高いです2SK2662のリップルフィルターでもっとドロップさせてもいいのですが、気が変わって300V程度で動作させる日が来るかもしれないので、手持ちにあった300Ω7Wのホーロー抵抗(R12)を入れて電圧を調整しています。

全体的に球が3本減って見た目もシンプルなので、いい結果がでたら、そのうちに 今(300×200ミリ)より少し小さめなアルミ弁当箱でも買ってきて組みなおそうと思います。

さて、配線ミスが無い事を確認したら鳴らしてみます、簡単に各部の電圧を計測したので回路図に記してます。

おー いいなぁ これこれ 6V6のこの音が聴きたかったんだぁ 好きだなこれ
太い感じの音です、低域から高音までいい感じの鳴り方をしてくれます。

NFBにとりあえず余ってた3KΩを入れてますけど、無帰還にすると、個人的にはもっと好きです、なにかしら あれは歪みなのかなサックスや弦楽器の音が良い感じに響くんです
だけど利得が高すぎたというか2SK30Aより2SK170は感度が良いみたいで使いずらいのでNFBで調整し見ようと思います、最終的にはオシロで計測しNFB量と位相補正のコンデンサを抱かせるつもりです。

3結にしたり、特に6CA7の3結など、音の線が細く繊細さを感じますが嫌いなんです それ

6SJ7に振り回されたけど、やめてよかった
FET(2SK30Aとか2SK117とか2SK170とか)の初段は、癖がなくていいですね
素直に終段の球の味が引き出せていると感じます。

boss

written by boss