3 月 17

始まりは40年前に買ったスピーカーユニット

長い間、倉庫の中で眠っていました
何度も箱を作って鳴らそうと思ってたけど結局気が乗らずに40年経過してしまった。

先に言っとくけど、このスピーカーは良い音はしないと思う、でも当時なぜか買ったんだよね
RichardAllan(イギリスのメーカーでリチャードアーレンと呼んでました) のNew Golden EIGHTっていう20センチダブルコーンのフルレンジスピーカーです。

とりあえず鳴らそうと思って引っ張り出したけどアンプが無いんだよね
アマゾンで3000円くらいからデジタルアンプが多数販売されているからそれを買ってもいいのだけど・・・

なんとなく40年前に買った、このスピーカーを見ていたら
これまたその頃に作った真空管アンプを使ってみる気になりました(これも長い間、使わずに保管してました)
いまどき真空管アンプなんてね、デジタルアンプの方がいい音すると思うよ。

色々と考えると古いスピーカーなので特性から判断して古いアンプの方が相性がいいかもと思ってみたり
とりあえず6B4Gシングル・ステレオアンプでも引っ張り出してみようってことになりました。

流石に40年近く経過した真空管アンプは、コンデンサーの容量抜けもあるだろうしどうなんだろ?
とりあえず、スピーカーに線を繋いでスイッチを入れてみたら
おー 鳴るわ 動くじゃん

自作のアンプですが回路図は無いので配線を眺めて当時何を考えてこれを作ったのか思い出してみました
ハッキリと今でも覚えているのは
6B4G 76 インプットトランス この3点を死守した構成する事
76でドライブするには全体の利得が足りないのは分っていたのと3段アンプにしたくなかったので
76の感度が足りないのをインプットトランスで補う形で構成しています。
このことで予想できるのは電気的特性は決していいはずは無いのですが、それは承知の上での回路構成です。

シャーシーの底蓋をあけたのがこちら

6B4Gシングルアンプの配線画像

6B4Gシングルアンプの配線画像

真空管アンプに興味のある方向けに書いとくと
6B4Gは固定バイアスにしているのとフィラメントはレギュレーターを組んで直流点火しています
シズキのフィルムコンを使ってますが、信号経路に使うと高域が歪むので電源回りでケミコンにパラって使ってます
カップリングコンはマイカです(現在ではあり得ない超贅沢品、確か銀マイカの0.1μFです)
その他、今では入手不可能と思われる銀タンタルとかも初段76のカソードに使ってたりします。

スピーカーの事から、どんどん離れしまいますが
古いスピーカーのために、ずいぶんと努力する事となりました
この古いアンプも今回は、少し真面目に再調整しました
どうして当時、もっとまじめに設計しなかったのか悔やまれます。

調整したのは6B4Gのプレート電圧とグリッド抵抗とバイアス電圧・76のプレート抵抗・整流管を5U4GBから5AR4に変更などです。
実は、今回計測してみたら6B4Gの動作点が劇的に高すぎることに気づき損失15W定格のところを、なんと35W 25Wくらいで動作させていたのです
ソ連製の胡散臭い6B4Gなので、壊れなかったのかもしれません
妙に球の温度が高くて気になっていたのですが
変更後はいい感じの温度で動作しています。
半導体と違って球のシングルアンプは意外に適当に作っても動いたりしますね。

いちおう外観の写真なんか撮ってみたのでお見せするとこんなアンプです

6B4Gシングルアンプの外観

6B4Gシングルアンプの外観

6B4Gシングルアンプにボンネットを取り付けた図

6B4Gシングルアンプにボンネットを取り付けた図

このアンプは全体的に利得が足りてなくて、作った当初に計った時は入力感度は低くて1.1Vくらいないとフルパワーにならなかったと記憶しています
フルパワーと言ってもたかだか3.5W程度なんですけどね
当時、持っていたスピーカーの効率は100dB程度だったので、最近の低効率なスピーカーに数十Wのアンプと組合わせたのと同様な音量で鳴らすことができました
こんな話を書いても最近の人には分からないと思いますけど・・・

こんな感じでアンプの整備が出来たので、いよいよ本題のスピーカーの話しです
なんせ40年も経ってから本当に鳴らしてみようと思ったのですから呆れた話しです
しかも、今回スピーカーを入れる箱を用意しないまま裸の状態での音出しなので、これ以上のバカげた話しはありません

スピーカー単体の箱無しで鳴らしてみたら、すごくマヌケな音がしたので部屋に転がってる段ボール箱に入れてみました。

箱に穴開けないとねぇー
ゴミ箱の底の部分が、なんとなく丁度良さそうなのでこれを使って段ボール箱に丸い印を付けてカッターナイフで切り取ります

ゴミ箱の底で丸く円を書く

ゴミ箱の底で丸く円を書く

段ボールに穴を開ける準備

段ボールに穴を開ける準備

段ボールに穴を開けたところ

段ボールに穴を開けたところ

箱も同じサイズが無いので、とにかく手持ちで適当に作りました。
完成してスピーカーを入れて(穴の中に入れて置いてるだけですが何か?)からアンプに接続し鳴らしてみました。

うんうん ちゃんと鳴るじゃないかぁ いいぞぉ

近いうちにエンクロージャーをきちんと用意して、このスピーカーを鳴らす予定です
それまでは段ボール箱を利用したエンクロージャーで楽しむこととします。

boss

written by boss